昭和30年4月12日

この日の告示について

昭和29年1月20日建設省告示第16号により主要地方道の指定が行われたことを受けて、新潟県における最初の主要地方道認定が行われました。現在まで引き継がれている路線もあり、非常に重要な告示の一つであると言えるでしょう。なお、旧道路法下で認定された県道のうち、この日の認定路線に引き継がれた路線は告示第462号により廃止されました。


整理番号について

この時点での新潟県道の整理番号は、

となっています。旧道路法から引き継がれたこの番号体制を、当サイトでは「第0期」として解説します。


告示の条文

以下に告示の全文および表を掲載します。原文は縦書きで、告示第461号の整理番号は算用数字です。

新潟県告示第四百六十一号

左に掲げる路線を昭和三十年四月十二日付をもつて県道に認定した。

昭和三十年四月十二日

新潟県知事岡田正平

番号路線名路線起点経過地
終点
501若松小出線北魚沼郡入広瀬村県界北魚沼郡須原村
同郡小出町
502小出田島線北魚沼郡小出町
同郡入広瀬村県界
503新潟村上線新潟市北蒲原郡紫雲寺村、岩船郡荒川町
村上市
504新発田新津線新発田市北蒲原郡水原町
新津市
505新潟新津線新潟市中蒲原郡亀田町
新津市
506三条新津線三条市五ノ町(国道八号線交点)加茂市、南蒲原郡田上村
新津市
507新津村松加茂線新津市
加茂市
508長岡見附三条線長岡市長岡市山本
三条市
509三条燕線三条市五ノ町
燕市
510長岡栃尾加茂線長岡市南蒲原郡森町村
加茂市
511長岡片貝小千谷線長岡市本大島
小千谷市
512小千谷千手十日町線小千谷市
十日町市
513柏崎小千谷線柏崎市刈羽郡小国村
小千谷市城川
514柏崎松代十日町線柏崎市刈羽郡高柳村
十日町市
515高田保倉柏崎線高田市東頸城郡牧村、同郡保倉村、刈羽郡鵜川村
柏崎市
516村上温海線村上市瀬波町岩船郡下海府村
岩船郡大川谷村県界
517新発田津川線新発田市北蒲原郡赤谷村
東蒲原郡津川町
518新発田五泉線新発田市北蒲原郡笹岡村
五泉市
519新潟長浦水原線新潟市沼垂
北蒲原郡水原町
520新潟亀田内野線新潟市一日市中蒲原郡大江山村、西蒲原郡黒埼村
西蒲原郡内野町
521新津白根線新津市中蒲原郡小合村
中蒲原郡白根町
522燕地蔵堂線燕市
西蒲原郡分水町
523燕吉田線燕市
西蒲原郡吉田町
524三条森町線三条市南蒲原郡長沢村
南蒲原郡森町村
525見附栃尾線見附市
栃尾市
526見附与板線見附市南蒲原郡今町
三島郡与板町
527長岡出雲崎線長岡市三島郡西越村
三島郡出雲崎町
528長岡寺泊線長岡市三島郡与板町
三島郡寺泊町
529柏崎寺泊線柏崎市1,815番地先刈羽郡高浜町、同郡石地町、三島郡島田村
三島郡寺泊町
530柏崎高浜堀之内線柏崎市三島郡大積村、同郡来迎寺村、古志郡太田村
北魚沼郡堀之内町
531小千谷栃尾線小千谷市古志郡竹沢村
栃尾市
532小千谷柿崎線小千谷市刈羽郡南鯖石村
中頸城郡柿崎町
533十日町堀之内線十日町市大字中条
北魚沼郡堀之内町
534十日町六日町線十日町市大字川治
南魚沼郡六日町
535十日町直江津線十日町市西一の町東頸城郡松代町、同郡安塚村
直江津市
536高田松之山六日町線高田市東頸城郡安塚村、同郡浦田村、同郡松之山村、中魚沼郡貝野村、南魚沼郡石打村、同郡上田村 [注1]
南魚沼郡六日町
537巻白根線西蒲原郡巻町
中蒲原郡白根町
538白根五泉線中蒲原郡白根町中蒲原郡小須戸町
五泉市
539栃尾小出線栃尾市北魚沼郡上条村
北魚沼郡小出町
540小出大崎六日町線北魚沼郡小出町
南魚沼郡六日町
541新井柿崎線新井市中頸城郡高士村、同郡旭村
中頸城郡柿崎町
542新井飯山線新井市
中頸城郡上郷村県界
543相川両津線佐渡郡相川町佐渡郡佐和田町
両津市
544両津小木線両津市佐渡郡佐和田町八幡、同郡三川村
佐渡郡小木町
545新発田停車場線新発田停車場
新発田市泉町
546新潟停車場線新潟停車場
新潟市流作場
547新潟港線新潟港
新潟市本町通七番町
548新津停車場線新津停車場
新津市大字善道
549三条停車場線三条停車場
三条市大町
550長岡停車場線長岡停車場
長岡市
551柏崎停車場線柏崎停車場
柏崎市
552高田停車場線高田停車場
高田市中小
553妙高公園線妙高公園
中頸城郡名香山村
554両津港線両津港
両津市
224城内十日町線南魚沼郡城内村南魚沼郡大巻村
十日町市
234味方亀田線西蒲原郡味方村七穂中蒲原郡根岸村、同郡両川村
中蒲原郡亀田町(県道新潟、亀田、内野線交点)
236茨曽根五泉線中蒲原郡茨曽根村丸潟中蒲原郡庄瀬村、南蒲原郡田上村
五泉市(県道新津、村松、加茂線交点)
244塩沢中之島線南魚沼郡塩沢町
同郡中之島村
256仙田小千谷線中魚沼郡仙田村小白倉
小千谷市(県道小千谷、千手、十日町線交点)
274五十公野停車場下羽津線北蒲原郡五十公野停車場
同郡川東村
278岩間木越後川口停車場線古志郡東山村岩間木北魚沼郡川口村
北魚沼郡越後川口停車場
323五十公野停車場松浦線北蒲原郡五十公野停車場
同郡松浦村
326越後岩塚停車場大積線三島郡越後岩塚停車場
[注2]

(筆者注)

注1
原文では「中魚魚郡」の誤記。
注2
原文に終点欄の記載がありません。廃止時の告示では「三島郡(原文では「同郡」)二和村」と記載されているため、「三島郡大積村(一級国道八号線交点)」のように記載するのが妥当でしょう。
  • 原文は縦書きで、整理番号は算用数字です。原文の表に罫線は引かれていませんが、本ページでは視認性を考慮して罫線を引いています。
  • 主要地方道は整理番号が501~554の54路線です。224号城内十日町線から326号越後岩塚停車場大積線までの9路線は一般県道として認定された路線ですが、いずれも昭和33年3月28日に廃止されました。
  • この日認定された主要地方道の根拠となる昭和29年1月20日の建設省告示は、いわゆる「昭和の大合併」の真っ只中で行われたため、実際に県道が認定されるまでの間に数多くの市町村合併が行われました。そのため、建設省告示と実際の認定路線で路線名や起終点が異なるケースや、2本の主要地方道を1本の路線にまとめて認定した、あるいは逆に1本の主要地方道を2本の路線に分割して認定したといったケースがみられます。以下にこの日の路線での該当例をまとめます。
    • 503号新潟村上線: 建設省告示では新潟岩船村上線。昭和29年3月31日に村上町、岩船町など5町村の合併で村上市が発足したことにより、路線名から「岩船」を削除。
    • 509号三条燕線、523号燕吉田線: 建設省告示では三条吉田線で、1本の主要地方道でした。昭和29年3月31日に燕町など4町村の合併で燕市が発足したことにより、燕市で路線を分割。
    • 515号高田保倉柏崎線: 建設省告示では記載なし。高田市本城町~中頸城郡新道村鴨島(昭和29年4月1日に高田市へ編入)間が府県道でなかったために建設省告示で記載漏れとなった可能性が考えられます。なお、「保倉」とは東頸城郡保倉村のことを指し、現在のほくほく大島駅付近です。
    • 516号村上温海線: 建設省告示では温海岩船線。昭和29年3月31日に村上町、岩船町など5町村の合併で村上市が発足したことにより、起終点を入れ替え、起点側を村上市瀬波町まで短縮して認定。
    • 522号燕地蔵堂線: 建設省告示では三条地蔵堂線。昭和29年3月31日に燕町、小池村など4町村の合併で燕市が発足したことにより、起点側を燕市まで短縮して認定。
    • 530号柏崎高浜堀之内線: 建設省告示では柏崎高浜宮内線及び宮内堀之内線で、2本の主要地方道でした。昭和29年3月1日に宮内町が長岡市に編入したことにより、2路線を統合して認定。
    • 535号十日町直江津線: 建設省告示では直江津十日町線。昭和29年3月31日に十日町など4町村の合併で十日町市が発足したことにより、起終点を入れ替えて認定。
    • 536号高田松之山六日町線: 建設省告示では記載なし。中魚沼郡貝野村宮中~同郡田沢村上山(昭和30年3月31日に倉俣村と合併し中里村)間が府県道でなかったために建設省告示で記載漏れとなった可能性が考えられます。
    • 543号相川両津線: 建設省告示では両津相川線。県道認定より前の昭和29年11月3日には両津市が発足しており、道路法第7条第1項第1号該当路線として認定するならば市を起点とするのが原則となります。あえて起終点を入れ替えた意図は不明です。

新潟県告示第四百六十一号

左に掲げる路線を昭和三十年四月十二日付をもつて廃止する。

昭和三十年四月十二日

新潟県知事岡田正平

新潟山形線新潟鶴岡線
新潟新津線新潟与板線
新発田津川線亀田水原線
新津新発田線安田水原線
村松新津線 [注3]小須戸五泉線
白根巻線加茂新津線
加茂三条線三条地蔵堂線
地蔵堂寺泊線見附三条線
見附栃尾線栃尾小出線
寺泊出雲崎線出雲崎石地線
地蔵堂与板線片貝小千谷線
栃尾小千谷線柏崎長岡線
石地柏崎線小千谷柏崎線
小出十日町線六日町十日町線
松代小千谷線松代柏崎線
柿崎新井線上谷地栃尾線
石曽根小千谷線石曽根柿崎線
和田上稲田線松山村上停車場線
今町見附停車場線白根小須戸線
小出大崎線出雲崎長岡線
高田城高田線岩船松山線
村杉新発田線安田村杉線
亀田大野線亀田松ヶ崎港線
白根新津線須田宮内線
北荷頃長岡線竹沢堀之内線
小出只見線大割野湯沢線
湯山十日町線月池安塚線
宮ノ脇大崎線安塚高田線
月池大割野線大西山停車場線
新潟港新潟停車場線新発田停車場線
新津停車場線三条停車場線
長岡停車場線柏崎停車場線
高田停車場線新潟港線
両津港線桂谷長岡線
新潟停車場線加茂停車場線 [注4]
新潟葛塚線両川亀田線
上塩俵両川線田上五泉線
五十公野停車場下内竹線越後岩塚停車場岩塚線

(筆者注)

注3
原文では「村杉新津線」の誤記。
注4
加茂停車場線は昭和33年3月28日の告示でも廃止路線として掲載されています。加茂停車場線の後継に当たる路線はこの日に認定されておらず、昭和33年3月28日に認定されたため、この日の廃止路線に含めたのは誤りで、実際には昭和33年3月28日に廃止されたとみてよいでしょう。
  • 原文は縦書きで、整理番号の表記はありません(代わりに「一」を頭に付けた箇条書きの形式となっています)。原文の表に罫線は引かれていませんが、本ページでは視認性を考慮して罫線を引いています。1行あたり2路線を記載している点は原文通りです。
  • 大半の路線はこの日認定された主要地方道路線に重複することによる廃止です。一方で、新潟山形線や柏崎長岡線など、一級国道や二級国道の指定に伴って実延長区間を失った路線もみられます。
  • 『新潟県土木季鑑』昭和14年版により、大半の路線の整理番号が判明しています。以下に整理番号と路線名の対応表を掲載します。なお、廃止路線のうち、新潟鶴岡線、小出只見線、越後岩塚停車場岩塚線の3路線は昭和14年より後に認定された路線であり、正式な整理番号が判明していません。これらの路線の整理番号は推測される番号を赤字のカッコ書きで記します。推測過程を以下に記します。
    • 新潟鶴岡線(3号と推測): 昭和26年6月12日認定。認定告示に整理番号の記載はありませんが、同日に認定された路線の整理番号がいずれも欠番の再利用であったこと、元3号の新潟前橋線(昭和14年以前に廃止)の廃止以降3号が欠番であったこと、県庁所在地と他県の枢要地を結ぶ路線であること、廃止告示で新潟山形線(1号)と新潟新津線(5号)の間に記載されていることから、3号と推測されます。
    • 小出只見線(244号と推測): 昭和28年7月10日に末沢小出線(大正12年4月1日認定、244号)から路線変更。路線変更告示では整理番号が224と書かれていますが、これは同日に行われた須田来迎寺停車場線の廃止及び須田宮内線の認定における整理番号224と同じものを記載してしまった誤記であると判断されます。
    • 越後岩塚停車場岩塚線(435号と推測): 認定日不明。『新潟県議会史』昭和篇 第2によれば、昭和22年6月28日に「認定」したと記述されています(筆者注: この資料では昭和30年4月12日認定の県道路線が「昭和29年2月27日認定」と記載されるなど、実際の認定日よりも前の日付を「認定日」として記載しており、記載されている日付は議会で可決された日である可能性が高い)。同日に認定されたとされる小揚猿沢線が436号であることから、筆者は435号と推測しています。
1新潟山形線(3)新潟鶴岡線
5新潟新津線6新潟与板線
17新発田津川線19亀田水原線
20新津新発田線24安田水原線
28村松新津線29小須戸五泉線
31白根巻線34加茂新津線
35加茂三条線38三条地蔵堂線
39地蔵堂寺泊線42見附三条線
45見附栃尾線46栃尾小出線
47寺泊出雲崎線48出雲崎石地線
49地蔵堂与板線52片貝小千谷線
54栃尾小千谷線55柏崎長岡線
56石地柏崎線57小千谷柏崎線
58小出十日町線59六日町十日町線
60松代小千谷線61松代柏崎線
62柿崎新井線73上谷地栃尾線
75石曽根小千谷線76石曽根柿崎線
79和田上稲田線90松山村上停車場線
110今町見附停車場線146白根小須戸線
150小出大崎線151出雲崎長岡線
160高田城高田線169岩船松山線
175村杉新発田線176安田村杉線
187亀田大野線188亀田松ヶ崎港線
194白根新津線224須田宮内線
234北荷頃長岡線236竹沢堀之内線
(244)小出只見線256大割野湯沢線
274湯山十日町線278月池安塚線
323宮ノ脇大崎線326安塚高田線
371月池大割野線405大西山停車場線
421新潟港新潟停車場線97新発田停車場線
102新津停車場線108三条停車場線
111長岡停車場線122柏崎停車場線
137高田停車場線65新潟港線
67両津港線235桂谷長岡線
99新潟停車場線107加茂停車場線
152新潟葛塚線21両川亀田線
417上塩俵両川線385田上五泉線
351五十公野停車場下内竹線(435)越後岩塚停車場岩塚線

参考文献


告示出典