道道1180号 本編
目次
区間 | 区間起点 | 区間終点 | 走行日 | 区間 距離 |
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本編 | 北広島市共栄 (起点)~ | 北広島市大曲中央2(R36交点、終点) | 2023/10/25 | 7.3km |
北広島市共栄(起点)~北広島市大曲中央2(R36交点、終点)

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エスコンフィールドHOKKAIDOは、北広島市Fビレッジの北海道ボールパークFビレッジにある屋内型の野球場である。プロ野球チームの北海道日本ハムファイターズが2023(令和5)年より本拠地としている。
大きな特徴として、屋内型でありながら天然芝を使用し、巨大な三角屋根の一部が可動構造となっていることが挙げられる。この日は晴天で試合もなく、芝の維持のために屋根が開けられていた。
※マウスオーバー/赤枠内タップで側面から撮影した写真を表示します。

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野球場のバックネット裏のVIP向けゲートは北西に向いていて、その西側には片側2車線のボールパーク通り(都市計画道路北進通)が通っている。ここはまだ市道であり、道道の起点はもう少し離れたところにある。
なお、路線名にある「きたひろしま総合運動公園」とは道道認定時点での都市計画公園の名称である。その後ボールパークの建設が実際に始まった後の2021(令和3)年に都市計画公園の名称は「北海道ボールパークFビレッジ」に変更された。

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ボールパーク通りを進んでいくと丁字路が見えてくる。交差する道路は右折方向が都市計画道路西裏通(愛称: アンビシャス通り)で、左折方向が道道である。一般利用者用の駐車場へはアンビシャス通りからアクセスすることになる。
ボールパークのある一帯の地名はかつて共栄であったが、2023年1月1日からFビレッジ(アルファベットは全角が正式)に変更された。ただし、地名が変更されたのはボールパーク通りとアンビシャス通りに囲まれた区域の一部であり、後述の道道起点は共栄のままである。

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起点
丁字路に辿り着く。この交差点が道道の起点となっており、左折方向に進んでいく。左折車が多いことを想定して左折車線が2車線用意されており、信号も道道・西裏通が時差式、北進通が左折信号付きである。
案内標識の「札幌」はシール状になっているが、隠されている表記は「札幌・江別」だと思われる。
※マウスオーバー/赤枠内タップで案内標識の写真を表示します。

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起点付近は片側2車線の広々とした道路だが、すぐに車線減少の標識がある。2023年現在、自動車は右側車線へ移る必要がある。
車線が減少するのはボールパークへのアクセス道路の一部が未開通となっているためである。当路線のほかに市道西裏線が整備され、R274へ直結する予定であり、開通すれば外側車線から分岐することになる。

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西裏線の分岐部は導流帯で区切られており、片側2車線道路の左車線から2車線の西裏線が、右車線から1車線の道道がそれぞれ分岐している。2023年現在は直進方向の道道のみ通行可能で、少しの間片側1車線の道路となる。
西裏線は道道の左側に分岐した後右カーブを描きながら道道を跨ぎ、JR千歳線を跨いで国道方面に向かう。完成は2022(令和4)年時点で2027(令和9)年度以降と見込まれており、今後橋梁などの構造物に順次着手する予定となっている。
※マウスオーバー/赤枠内タップで案内標識の写真を表示します。

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分岐部を過ぎると中央分離帯はすぐになくなり、対面2車線の道路となる。摺り付け区間を終えると、裏の沢川支流に架かるFビレッジ73橋を渡る。名前に含まれている数字の通り、延長73mの橋となっている。
工事中の仮称は3号橋であった。道道の起点ではなく、市道大曲椴山線側から起算して1号橋~3号橋と名付けていたようだ。
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Fビレッジ73橋の途中から右カーブとなり、切土区間で上り勾配に転じると、次に裏の沢川に架かるFビレッジ341橋(仮称: 2号橋)を渡る。こちらは延長341mと長く、本路線の橋梁の中では最も長くなっている。
計画では延長約330mとされていた。さらに古い計画では2本の短い橋と盛土区間だったが、河川増水時の浸水区域や環境保全を考慮して設計を変更したとのこと。
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Fビレッジ341橋を振り返って撮影。橋の前方にはエスコンフィールドHOKKAIDOの特徴的な三角屋根が覗いており、絵になる風景である。一方で、橋梁となったことで路面凍結のリスクは増しており、春先や晩秋は注意が必要かもしれない。

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Fビレッジ341橋を過ぎても上り勾配は続く。本路線は比較的坂道の多い道路となっているが、これは地形改変を極力減らすために現状地形に沿うような縦断線形を採用したことが原因である。
r1116富良野上川線のように、コスト削減を目的として地形改変を減らした縦断線形を採用した例があり、他の新規建設路線でも広く採用されている。しかし、本路線の場合は地形改変を減らすことが環境配慮にも繋がっている。

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上り坂の後はすぐに下り坂となる。縦断勾配は第3種普通道路の原則上限値である5%に設定されており、「下り急勾配あり」の警戒標識も設置されている。

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下り坂の後はすぐ上り坂。この辺りは特に目まぐるしく勾配が変わっている。
この周辺は縦断線形があまり現況地形に沿っていないのだが、これは近くに既存の民有地があり、道路の接続を考慮したためとされる。接続する道路は西の里信号場付近でJR千歳線を渡って市道大曲椴山線に繋がっているが、1車線未舗装のため進入は控えた方がいいだろう。

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上り坂を過ぎるとほぼ平坦になり、長めの直線区間となる。道路の左側には防鹿柵とドレスネットが設置されており、道路へのエゾシカや中小型哺乳類の進入を防いでいる。このような設備からも、手厚い環境保全対策が施されていることが見て取れる。
(2024/6/30追記)
建設当初は道路の南側(進行方向左側)のみの設置であったが、その後のパトロール・モニタリングにより小型動物やエゾシカのロードキルが発生したことが確認された。そのため、道路の北側(進行方向右側)にも防鹿柵とドレスネットを設置することになり、2024(令和6)年度中に施工される予定だ。

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工事用道路の接続部を過ぎると、裏の沢川に架かるFビレッジ245橋(仮称: 1号橋)に差し掛かる。これまでの橋とは違って直線ではあるが、途中から上り勾配となっている。
この橋も当初の計画では短い橋と盛土区間の予定であった。
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近くの市道からFビレッジ245橋を眺めると、盛土区間が短く抑えられていることがわかる。また、道道の供用開始から7ヶ月以上が経過していたこともあって、橋の近くでは工事用道路の撤去工事が行われていた。
環境負荷を低減するべく、工事用道路の原状回復はもちろんのこと、工事用道路そのものを可能な限り減らし、土砂の飛散を減らすための工夫も施されるなど、かなり緻密な対策が取られている。
※マウスオーバー/赤枠内タップで工事標識の写真を表示します。

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Fビレッジ245橋を渡りきると、市道大曲椴山線との交差点を予告する案内標識が現れる。一方で、橋の途中から始まった上り勾配は交差点の直前まで続いていることもわかる。
当初の計画ではここから左にカーブしながら市道との丁字路を(道道側を優先道路として)設ける予定だった。やはり地形改変を減らすために線形が変更され、道道側が従道路では渋滞が発生し光害のリスクが増すことが懸念され、ラウンドアバウトの導入に至ったという経緯がある。

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交差点直前で上り勾配とカーブは終わり、「ロータリーあり」の警戒標識が設置されている。道道はこの交差点で左折し大曲・E5道央道方面へ向かう。
なお、ラウンドアバウトの手前側には「徐行で進入」「交差点内の車両優先」と書かれた看板が設置されている。道内の現代型ラウンドアバウトは、この交差点の供用前は2箇所しかなく、いずれも北広島市からは250km以上離れていたことから、道央圏のドライバーには実走行の機会がほとんどなかった。
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ラウンドアバウトへ進入していく。直前には「環状の交差点における右回り通行」の規制標識と、「徐行」規制標識と補助標識のセットを意識したデザインで「ゆずれ」「環道優先」と書かれた四角形の標識が設置されており、路面標示にも「ゆずれ」の表記がある。これらの標識のセットは既設の現代型ラウンドアバウトであるクッチャロ湖入口交差点などと共通であり、導入にあたって参考にしたものと思われる。なお、接続する道路がいずれも歩道を持たないことから、横断歩道は設置されていない。

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道路のない方向から中央島を眺める。大型車が乗り上げて走行できるスペースであるエプロンは、既設のラウンドアバウトではやや高低差を付けて低い縁石で囲んでいたところ、この交差点では高低差のない舗装面に3重のランブルストリップス(舗装面を切削して作る凹凸)を施している。
また、ラウンドアバウト付近には新規開通区間で唯一の街路灯が設置されており、そのシールに道道の路線名が記されている。
※マウスオーバー/赤枠内タップで街路灯シールの写真を表示します。

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ラウンドアバウトを大曲方面から眺める(右折がFビレッジ方面)。もう少し構造面に目を向けてみると、進入路と退出路を分離する分離島はごく小規模な中央分離帯と導流帯で構成され、ラバーポールとブリンカーライトで視認性を改善している。
既設のラウンドアバウトではエプロンの縁石部に除雪機によるものと思われる損傷が目立っていた。外径があまり大きくないことも考慮して、除雪時の障害物を極力減らす設計がなされたのではないかと思われる。
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ラウンドアバウトを左折して大曲方面へ進んでいく。早速上り坂の右カーブとなるが、ここは道道として改良工事が行われており、十分な幅員が確保された走りやすい道路となっている。道内ではおなじみの矢羽根型の視線誘導標も設置されている。
ここまでの新規開通区間には、このタイプの視線誘導標は一切設置されておらず、一部に小型のデリニエーターが設置されるのみであった。積雪のある道央圏では珍しい運用だが、これは地元との協議により景観面を考慮したとのこと。

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カーブを終えると昇格前の市道とルートが重なり、幅員が減少する。ここから先は市道時代の線形のままとなっており、舗装こそ打ち換えられているが整備状況は悪くなる。

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矢羽根型の視線誘導標はなくなり、代わりに設置されているのは先端に反射板を備えた紅白のスノーポールという、市町村道にありがちなタイプのもの。ごく一部で多少の改良は行われているものの、基本的には路側帯のほとんどない2車線道路である。
この付近では種苗管理センターの北海道中央農場の間を走っている。農林水産省所管の国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の下位組織で、ばれいしょの原原種の生産などを行っている。

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視界が開ける場所もあるが、この後には見通しの悪いカーブが連続する区間を控えている。路側帯がないに等しいため、自転車や歩行者を避けるには対向車線にはみ出さざるを得ず、そこに見通しの悪さが重なるため特に注意が必要である。

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カーブを過ぎると森林地帯を抜けて見通しが良くなる。一方で、遮るものがない地形は冬になれば地吹雪が発生しやすい危険区間にもなり得る。進行方向右側には防雪柵(夏季なので畳まれている)が設置されており、そのことを示唆している。
道道クラスになればそれなりに見かける構造物だが、予算の限られる市町村道クラスになると設置区間はかなり少ない。つまり、そのレベルの危険区間ということが推察される。

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見通しが良くとも路側帯がほとんどない道路状況は改善せず、自転車での走行はやや苦しい。ボールパーク開業以前から一定の交通量がある路線だったことも拍車をかけている。

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導流帯が現れ、交差点に近づく。ラウンドアバウトから約2.6kmでr1080栗山北広島線との丁字路に至る。案内標識にはr1080しか表示されていないが、r1180は右折して国道36号方面へ向かう。交差点付近は道道昇格後に改良され、信号機の設置、右左折レーンの分離などが行われた。
※マウスオーバー/赤枠内タップで案内標識の写真を表示します。

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起点方向を振り返る。北広島市が設置した「警告 この先、吹溜り警戒路線 吹溜り注意!!」という標識が冬季の厳しい道路状況を物語っている。この標識は道道昇格前から存在し、防雪柵も年季の入ったものである。
なお、r1080の大曲方面から来ると案内標識は設置されているものの、r1180の表記は見られない。
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右折後はr1080に重複し、終点のR36交点を目指す。都市計画道路大曲通として整備されている区間であり、中央分離帯のある片側2車線道路となっている。北広島市中心部から札幌市へ向かう主要ルートの一つであり、交通量は多い。
(2024/6/30追記)
なお、画像28の交差点までが北広島市の管理だったのに対し、r1080重複区間は他の道道と同様に札幌建設管理部千歳出張所の管理となっている。

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約1.2km道なりに進むと、右カーブの途中で交差点を迎える。大曲通は道なりに直進だが、道道はここで左折となる。右左折車が非常に多いため歩車分離式の信号サイクルとなっており、歩行者用信号は押しボタン式で一斉に青信号となる。
なお、そのまま直進すると札幌市清田区に入り、札幌新道と接続している。札幌新道から大曲通に入りr1180を通るルートは、ボールパークの公式サイトに掲載されている推奨ルートの一つとなっている。
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左折後は都市計画道路大曲中央通となって国道を目指す。これまでの片側2車線道路からは一転して対面2車線道路となる。幅員こそ多少広くなっているが、右左折レーンが分離されていないことも相まって、大曲通との交差点付近は特に混雑しやすい。

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道道の沿線は住宅地が中心だが、小~中規模の商業施設もある。

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百年橋(ひゃくねん-はし)でE5道央道を渡る。28北広島ICのすぐ近くに架かっており、千歳方面との入口・出口車線も跨いでいる。
なお、百年橋が架けられた1971(昭和46)年当時、北広島市はまだ札幌郡広島町であり、町制施行から3年しか経過しておらず、大曲に市街地らしい市街地はなかった。50年あまりが経過し、北広島市は人口5万人を超える立派な街になった。

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百年橋を渡ると大曲中央地区に入り、終点が迫る。少し進むと国道方面に向かう車線が2車線、北広島市中心部に向かう車線が1車線の非対称道路となる。国道との交差点の右折車線から長い車列が形成されることへの対処だが、車道そのものの幅員は変わらないため路側帯が狭くなっている。
ちなみに、この辺りで標高が100mを超える。Fビレッジ73橋付近は標高50mを切っているので、それなりに上ってきたことになる。

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終点
大曲通の分岐から約1.1kmで国道36号と交差し、道道は終点を迎える。交差点の直前では左側に左折車線が増え3方向の車線が分離されているが、それでも右折車線を中心に混雑しやすい交差点となっている。左折は千歳・苫小牧方面、右折はE5道央道28北広島IC・札幌方面となっている。なお、重複していた上位路線のr1080もここが終点であり、直進方向はr790仁別大曲線で、羊ケ丘通に通じている。
※マウスオーバー/赤枠内タップで案内標識の写真を表示します。

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なお、この交差点に札幌方面から来た場合、このような案内標識を見ることになる。ボールパークを目指す場合、左折の道道ではなく直進の国道に進むよう案内される。小径のラウンドアバウトがあり道路容量の限られる道道には札幌新道経由の車両のみを流入させ、国道や羊ケ丘通を経由する車両は輪厚(わっつ)から市道を走らせるつもりらしい。
ただ、案内通りに市道を経由すると遠回りした挙句結局は(画像28の交差点よりは市街地寄りとはいえ)r1080に合流することになり、国道からの分岐地点には白地の案内標識が1枚あるだけという体たらく。ルートを分散させたい事情は理解できるが、不親切に感じられる。
感想・余談
「流行り物を無理に追おうとはしない」というスタンスで活動している感のある筆者だが、この路線に関しては比較的早い段階から撮影の機会を窺っていた。2023年は筆者が自転車走行で道路レポート用の写真を撮ることを再開した年であり、以前は行っていなかった、自転車を車載して拠点まで回送するという手法で停車場線を中心に撮影を行っていた。そうなれば新たに開通したこの道道にも興味が向くもので、千歳線の停車場線とセットで撮影することを決めたのであった。
ボールパーク開業後とあって拠点となりうる地点は限られ、おのずと西の里にある自転車の駅に決まった。エルフィンロード(r1148札幌恵庭自転車道線)沿いにあるサイクリスト向けの施設で、駐車場は9時~17時しか利用できないが、ラウンドアバウトまで600mという好立地で、今回の撮影には最適であった。
実際にエルフィンロード経由で(自転車道線・停車場線撮影のために寄る必要があった)北広島駅へ向かっていくと、エスコンフィールドHOKKAIDOがとても大きく感じられた。札幌ドームには両手で数えきれない程度に訪れていたため、この規模の建造物を見慣れていないわけではないのだが、せいぜい体育館クラスのサイズでしか見たことのない三角屋根が圧倒的な存在感を放っていたのである。ただ、形状と配色が良いのか「周りから浮いた」印象は全く感じられなかった。
北進通経由でボールパークに辿り着くと、それはもう、圧巻であった。遠くから見ても圧倒的な存在感を放っていた巨大な三角屋根が、開かれた状態で鎮座していたのである。撮影日が好天だったために見ることができた光景であり、しばし見入っていた。画像1は正面から撮影した写真だが、手持ちのコンデジ(35mmフィルム換算28mm)の画角では収まらず、スマートフォンの広角カメラ(35mmフィルム換算18mm)で無理矢理収めたほどである。
さて、話を道路の方に戻そう。目次にも書いたとおり、本路線の新規建設区間は特別天然記念物に指定された野幌原始林の近傍を通るために、環境に特に配慮して整備されている。道路構造を見れば、盛土区間を減らすための橋梁区間の延長や、地形改変を極力減らすような線形の選定があり、附属物を見れば、ロードキル対策の防鹿柵・ドレスネットやスロープ付き側溝がある。そのほかにも、工事用道路の延長減や濁水対策、凍結防止剤散布や車両のヘッドライトによる環境への影響のモニタリングなど、環境対策は多岐にわたる。これらの環境保全対策を協議した際の資料がインターネット上で閲覧できることもあり、筆者としても大変勉強になった。
また、市道大曲椴山線との交差点にラウンドアバウトが採用されたことも特徴的だった。北海道が事業主体となって整備した現代型ラウンドアバウトとしては(既設の2箇所は国道上にあり北海道開発局が事業主体だったため)初の事例であり、札幌圏に位置することから、「ラウンドアバウト経験者」の割合が向上することも期待できる。郊外での車両の平均速度が高く、交差点での出会い頭の衝突が死亡事故につながりやすい北海道において、重大事故の抑制につながるラウンドアバウトを活用するメリットは大きいだろう。多くのドライバーがラウンドアバウトを経験し、(特に除雪など雪国特有の課題など)運用面でのノウハウを蓄積していくことが今後の交通政策に繋がっていくことを期待したい。
ところで、筆者はまだエスコンフィールドHOKKAIDOに入場したことはない。建設中と今回の撮影時にその近くを通っただけである。北空知地方から見れば札幌ドーム時代よりも行きづらくなってしまったことが一因だ(現状では鉄道で行くなら所要時間が長く、車で行くならデイゲームでなければ厳しい)。2006(平成18)年・2016(平成28)年の日本一の記憶が鮮明に残っている筆者にとって、ここ数シーズンのファイターズの下位低迷は目を背けたくなるような苦しい現実である。新たに自前の球場を手に入れ、収益面が大きく改善されたことで、主力選手の流出を防ぎ大型補強を行うことが期待できるようになった。ファイターズが強さを取り戻し、ボールパークが大いに盛り上がり、その賑わいが地域に波及していくことを切に願っている。