道道1116号 区間2
目次
上川郡美瑛町字俵真布(俵真布第3ゲート)~上川郡東川町ノカナン(チョボチナイゲート)
23
左折直後に俵真布第3ゲートが設置されており、正面には凄まじい勾配の上り坂が見えている。こういった上り坂は遠くから見ると圧縮効果により実際の勾配以上に急に見えるものだが、ここの上り坂は山に向かって真っすぐ突っ込んでおり、実際の勾配もかなり急なのである。
※マウスオーバー/赤枠内タップで標識を拡大します。
24
ゲートを超えて後ろを振り返ると、しっかりと案内標識が設置されている。なお、R237と美瑛市街の両方ともr1116経由ではなく途中から町道朗根内上俵真布線とr213を利用したほうが距離が短く早く到着できる。
天人峡・旭岳方面から来る場合はずっとr213を通ったほうがよいのは言うまでもない。
25
わずかな下り坂ののち、辺別川橋で辺別川を渡る。俵真布~忠別間の建設時に架けられた新しい橋で、銘板によれば平成22年3月の完成である。
26
辺別川橋を渡り終えると、いよいよ本格的な上り坂が始まる。
27
ある程度上ったところで振り返って撮影。写真ではいまいち伝わりにくいかもしれないが、かなり急激に高度を上げている。
28
上り勾配に関する警戒標識は設置されていないのだが、坂を上り切った地点で対向側に設置されている標識には11%という下り勾配の数値が書かれているので、相当な急坂であることがわかる。
29
途中まではある程度直線的に登っていくが、後半からはカーブが多くなる。
30
標高520m~550m付近は連続する急カーブで高度を稼いでいく。俵真布~忠別間では一番険しい区間かもしれない。
なお、この区間にはカーブミラーが設置されていない。対向車は少ないものの見通しは良くないので慎重な運転が要求される。
31
最後に左カーブを曲がって上り坂は終了となる。
32
標高約558mで上り坂の頂上となる。ここから忠別にかけては下り坂となるのだが、さっそく下り勾配11%の警戒標識が出迎える。
この11%という勾配は道路構造令において設計速度30km/hの道路に認められた最大の数値であり、新たに建設された道路としては異例の数値ともいえる。
33
下り坂に入ると左側は谷底となっており、道路の規格の割には手がかかった構造になっている。
34
忠別側もカーブが多く、見通しがあまりよくない区間がある。
35
途中で勾配が緩やかになる場所もあるが、すぐに元の11%に戻る。
36
しばらく下っていくと、正面に忠別ダムが見えてくる。忠別ダムは重力式コンクリートダムとロックフィルダムの複合となるコンバインダムである。
37
坂を下りきるとゲートを通過し、r213天人峡美瑛線との交差点に到着する。案内標識は交差点の手前ではなく、r213の向こう側に設置されている。
38
来た道を振り返って撮影。r213交点のゲートは忠別ゲートという名前になっており、俵真布第3ゲートからの2.8kmは連続雨量80mm以上で通行止となる区間であり、冬期閉鎖にもなる。
39
交差点に立つ案内標識のとおり、r1116はここを右折する。なお、r213のほかにr1160旭川旭岳温泉線も重複しているが標識には書かれていない。右折後のr213側にも案内標識が設置されているが、俵真布第3ゲート手前に設置されていたものと同様に、行先は隠されている。
※マウスオーバー/赤枠内タップでr213側の案内標識を表示します。
40
r213との重複区間に入ってしばらくの間は歩道もあり広めの道路となっている。
41
ダム方面に向かう道路の分岐があり「←多目的広場」と書かれた標識があるが、ゲートは閉ざされていて進入できないようになっていた。
42
続いて、望郷広場への分岐が現れる。望郷広場には駐車場と東屋のほか、ヘリポートも整備されているようだ。
43
道道沿線にも駐車帯があり、旭岳温泉・天人峡方面へ向かう車が休憩できるようになっている(構造上はチェーン着脱場として建設されたものに見える)。
44
駐車帯を過ぎると追越禁止となり、下り坂のカーブとなる。r1116が当初の予定通りに建設されていれば、美瑛トンネルを出た後このあたりで交差していたのではないだろうか?
45
カーブを過ぎるとr213とr1160の分岐が現れる。直進がr213で天人峡方面、左折がr1160で旭岳温泉方面である。r1116は案内標識に書かれていないが、左折してr1160と重複する。
案内標識中では路線番号の部分が貼り替えられているが、これはr1160が2000年まではr212旭川大雪山層雲峡線という路線であったためである。
46
交差点の西側には路肩が崩れた跡が残っていた。この付近は過去に何度も大雨の被害を受けており、2018年7月にはr213で土砂崩れが発生し天人峡温泉に宿泊客らが取り残される事態にもなった。
47
分岐後間もなく、上忠別橋で忠別川を渡る。この橋も過去に大雨の被害に遭っており、老朽化も進行していたことから抜本的な対策として架け替えが行われた。初走行時は銘板を見忘れるという痛恨のミスを犯したが、改めて走行した際に平成30年3月の竣工であることを確認している(平成31年度版の橋梁現況調書には反映されていない)。
48
橋を渡り切ると案内標識が現れる。r1116はこの交差点を左折するのだが、標識内では案内されていない。
49
なお、橋の中央部から東川町に入っている。これ以降の「幻の道道」区間は東川町内にある。一方、橋の南側には美瑛町のカントリーサインも設置されている。
※マウスオーバー/赤枠内タップで美瑛町のカントリーサインを表示します。
50
左折後も走りやすい2車線道路となっている。この先しばらくの間は、忠別ダムの右岸を通る町道忠別ダム天人峡旭岳線からの編入区間である。
51
源水橋でピウケナイ川を渡る。橋の手前で右折すると、大雪旭岳源水公園がある。湧水を汲むことができる人気のスポットで、駐車場も整備されている(車1台につき100円以上の協力金のお願いがされている)。
公園内にはトイレも設置されていて、r1116沿線では貴重な休憩地点ともなっている。この先の険しく心細い道のりに備えて英気を養っておくのがよいだろう。
52
源水橋を過ぎてしばらく進むと左手に散策広場が現れる。駐車場が整備されているがトイレなどはないようだ。
53
ノカナン橋(漢字表記だったか否かを忘れる痛恨のミス...)でノカナン沢川を渡る。上流側には野花南大橋(L=400m)が計画されていたが、事業再評価の際に立ち消えとなった。
54
緩やかなカーブの道路を進んでいくと、左手に親水広場がある。ここも駐車場が整備されており、r1116沿線では最後の駐車帯となる。
55
少し進むと右手には江卸発電所の設備が見える。上流の取水堰から地中の導水路へ水を流し、高低差を利用して小規模な水力発電を行っているようだ。
56
江卸発電所を過ぎると、チョボチナイ橋でチョボチナイ沢を渡る。そして、案内はないが橋の向こう側でr1116は右折となる。直進の町道は東川町の中心部方面へ向かう。
57
右折後の進行方向を道路の反対側から眺める。ほとんど開くことのないチョボチナイゲートが開放されたのは走行日の11日前であり、17日後には冬期閉鎖されることが決まっていた。
次回、いよいよゲートを通過して「幻の道道」の核心部へと足を踏み入れていく。