道道1116号 目次

2018年9月現在唯一存在する道道番号標識

路線概要

富良野上川線は富良野市と上川町を結ぶ延長約87kmの一般道道として認定された。しかし、そのうち開発道路として指定された(建設予定とされた)区間は空知郡上富良野町~旭川市東旭川町瑞穂の約38kmに過ぎない。しかも、後述する事業再評価により指定区間はさらに短縮され、供用区間は上川郡美瑛町字宇莫別~旭川市東旭川町瑞穂の約29kmにとどまった。大雪山国立公園に通じる国道・道道同士を結びつける新たな連絡道路は、十分な費用対効果が見込めないことから事業の一部中止・規模縮小を余儀なくされたのだ。

本道道を走破するうえで最大の障壁となるのは通行止期間の長さである。美瑛町字宇莫別~字俵真布間は冬季閉鎖期間が11月中旬から翌4月中旬となっており、これは道内の冬季閉鎖道道としては比較的平均的な閉鎖期間である。しかし、美瑛町字俵真布~字忠別間と東川町内のチョボチナイゲート~r611瑞穂ゲート間は10月中旬~5月上旬の約7か月にわたって冬季閉鎖となり、1年の半分以上は走行できない。しかも、チョボチナイゲート~東川北7線ゲート間は建設が完了して一旦開通した後も地すべりの恐れがあるため長期間にわたって通行止となっていたので、開通した2012年7月25日から2018年10月11日(2018年度の冬季閉鎖開始)まで6年あまりの間で通行できたのはわずかに5か月弱しかなかった(そのうち約5年間はずっと通行止であった)。一部界隈で「幻の道道」と呼ばれているのも納得がいく開通期間の短さだ。

開通区間のうち、事業再評価による計画見直し以降に建設された区間は1.5車線となっており、舗装されているとはいえ急カーブと急勾配が連続するため走りにくい。特に、当初の計画でトンネルを建設する予定だった箇所は最大で11%のかなり急な坂道となっており、自転車での走行は困難を極める。その一方で、事業見直し前に建設された東川町内の区間は快適な2車線道路となっており、勾配も6%以内に抑えられているため見違えるほど走りやすくなっている。既存の町道から編入された区間は、美瑛町字宇莫別~字俵真布間こそ急勾配の続く難所だが、それ以外は2車線が確保されており勾配も緩やかな区間となっている。

自動車での走行ですら通行止の多さにより攻略難易度が高くなっているが、自転車での走破を目指す場合は容赦のない急勾配に加え、ずっと山奥を走行する(=熊との遭遇リスクが高い)ことが難易度を大きく引き上げている。近年(2017~2020年度)はいずれもヒグマによる人身事故が多発する9・10月のみ通行可能だったため、攻略には高いリスクが伴う路線である。

種別一般道道
路線番号1116
路線名富良野上川線
起点富良野市
終点上川郡上川町
通過市町村富良野市[開通区間なし]→空知郡中富良野町[開通区間なし]→上富良野町[開通区間なし]→上川郡美瑛町→東川町→旭川市→上川郡上川町[開通区間なし]
認定日1994年4月1日
総延長28.912km
実延長26.619km
重用延長2.293km
未供用延長0.000km

※総延長等のデータはいずれも2016/4/1現在の道路現況調書による。

歴史

1975(昭和50)年4月30日
同日付の北海道告示第1445号により、道道871号白川美唄線(上川郡上川町字白川~美唄市)が認定される。
1983(昭和58)年9月20日
同日付の建設省告示第1604号により、道道白川美唄線の旭川市東旭川町瑞穂550番~上川郡美瑛町字忠別2896番の2が開発道路の指定区間となる。
1987(昭和62)年3月5日
同日付の建設省告示第282号により、道道白川美唄線の上川郡美瑛町字忠別2896番2~空知郡上富良野町字上富良野1955番22が開発道路の指定区間に追加される(以降の工事完了に伴う区間変更は省略)。
1993(平成5)年5月11日
同日付の建設省告示第1270号により、道道白川美唄線の一部(美唄市~富良野市)が主要地方道美唄富良野線に指定される(道道219号美唄炭山線も対象となるはずだが記載漏れとなっている)。
1994(平成6)年4月1日
同日付の北海道告示第503号により、道道1116号富良野上川線が認定される。道道1098号美唄富良野線(現135号)も同時に認定。道道871号白川美唄線は同日廃止(告示第504号)。
2004(平成16)年度
事業再評価により事業規模が見直され、上富良野町字上富良野~美瑛町字宇莫別の建設を中止、残る区間も道路規格の引き下げや既存町道の活用によるコスト削減を行うとされた。
2005(平成17)年8月5日
同日付の国土交通省告示第781号により、道道富良野上川線の空知郡上富良野町字上富良野1955番22~上川郡美瑛町字宇莫別1103番54が開発道路の指定を廃止される(工事中止のため)。指定が継続されたのは上川郡美瑛町字宇莫別1103番54~上川郡東川町道有林上川南部管理区104林班42小班。
2010(平成22)年4月1日
北海道へ事業を移管し、開発道路としての指定が廃止される。
2012(平成24)年7月25日
上川郡東川町ノカナン(チョボチナイゲート)~同町道有林(2車線・1.5車線区間境界)が開通。10月18日に冬季閉鎖となるまで通行が可能であった。
2013(平成25)年6月14日
上川郡美瑛町字俵真布(俵真布第3ゲート)~同町字忠別(r213・r1160交点)が開通。事業が継続された区間は全て開通したこととなる(なお、この時点でチョボチナイゲート~東川北7線ゲートは地すべりの恐れで通行止)。
日付調査中
上川郡東川町松山温泉(r1160交点)~ノカナン(チョボチナイゲート)間(町道忠別ダム天人峡旭岳線重用区間)を道道に編入。
日付調査中
上川郡美瑛町俵真布地内(町道朗根内上俵真布線重用区間)を道道に編入。

レポート区間

区間区間起点区間終点走行日区間
距離
区間1上川郡美瑛町字上宇莫別
(開通区間起点)~
上川郡美瑛町字俵真布
(俵真布第3ゲート)
2018/9/248.5km
区間2上川郡美瑛町字俵真布~上川郡東川町ノカナン
(チョボチナイゲート)
2018/9/248.0km
区間3上川郡東川町ノカナン~上川郡東川町北7線
(東川北7線ゲート、r611交点)
2018/9/2412.6km
おまけ上川郡東川町北7線~旭川市東旭川町瑞穂
(r611起点)
2018/9/245.5km

※区間は筆者が勝手に定めたもの。各区間の距離は地図上で計測しているため、その合計が総延長及び実延長のいずれかに一致するとは限らない。


事業区間の概要

まずは路線の全体像から解説していくことにする。前述の通り、富良野上川線の前身は白川美唄線という非常に長い道道である(延長は約140kmに及ぶ)。1975年に富良野市~芦別市上芦別町が開発道路の指定を受けたのち、少しずつ指定区間が追加されて工事が始まった(1983年に旭川市東旭川町瑞穂~上川郡美瑛町字忠別、1984年に芦別市上芦別町~美唄市東美唄町常盤台、1987年に上川郡美瑛町字忠別~空知郡上富良野町がそれぞれ指定区間に追加)。

北海道の中央部にある大雪山国立公園には旭岳、十勝岳、層雲峡など観光地が点在しており、そこへ至る国道・道道も多数存在していた。しかし、それらの路線同士を連絡する道路は未整備であり、特に観光バスのような大型車は長距離の迂回を強いられていた。白川美唄線が整備されることによってこの問題が解決され、観光地間の移動効率が大幅に向上すると期待されたのである。また、当時の札幌~富良野間の移動はR12・R38を利用する滝川経由ルートくらいしか選択肢がなく、夕張芦別線(現R452)の整備と併せて新たなルートを形成できると見込まれた。

1993年には富良野市~美唄市の区間が主要地方道に指定され、1994年には主要道道である美唄富良野線と一般道道である富良野上川線に分割された。美唄富良野線は1998年5月に上芦別~富良野間が開通し札幌~富良野間の主要ルートの一つとなった一方で、富良野上川線は2004年時点でも東川町道有林~東旭川町瑞穂のわずかな区間しか開通しておらず、瑞穂東川線の代替路線としての役割しか果たしていなかったのである。上富良野~忠別は着工に至っておらず、東旭川町瑞穂~上川町白川は開発道路の指定区間にすらなっていなかった。他の開発道路の中で事業中止路線が出始める中、富良野上川線も2004年度に事業再評価の俎上に載せられることとなった。

2004年度の再評価原案準備書説明資料では、上富良野~白川間の63.2km(うち開発道路区間38.2km)が再評価の対象区間とされた。道路の構造規格は3種3級、設計速度は50km/h(曲線半径100m以上、縦断勾配6%以下)と、他の開発道路の多くが3種4級で設計速度40km/hとなっているのに対してやや高規格の設計である(しかも車道幅員は6.50mと、3種2級並の広さになっている)。開発道路区間のうち北海道に引き継がれた区間(即ち開通区間)は9.7kmしかなく、再評価対象区間全体のうち2004年度末での用地進捗率は7%、事業進捗率は11%とかなり低い数値となっていた。

事業進捗率が低くなっていた理由の一つとして、急峻な地形であることからトンネルと橋梁が多く必要になることが挙げられる。開発道路区間の残り約28.5kmだけでも6本のトンネル(合計でL=8,249m)と15本の橋梁(合計でL=2,261m)が計画されており、その中には延長1.5km超のトンネルや延長400m級の長大橋梁も複数あった。
また、山間部であることから積雪により施工期間が限定されること、地すべり対策が必要な区間があることも重なり、完成まで最短でも約30年以上の期間が見込まれた。当然ながら、不確定要素による事業期間延伸や費用増大の懸念もあった。

2004年度を基準とした費用便益比は0.4と算出され、事業費や事業期間の増減によっては最低で0.2まで落ち込むとされた。このような状況で事業を継続できるはずもなく、代替案の検討が行われた。
まず、上富良野~東川道有林の残り区間の中から、事業区間を3つのケース(上富良野~東川道有林、宇莫別~東川道有林、忠別~東川道有林)に分けて検討した。いずれのケースも交通ネットワークの形成ができないことから十分な交通需要が見込めず、残事業の費用便益比はそれぞれ0.3、0.5、0.7と算出された。
次に、既存道路を活用して1.5車線整備を行うことによるコスト縮減の可能性を検討した。その結果、最長となる美沢~東川道有林の整備では費用便益比が0.8となるものの、宇莫別~東川道有林およびノカナン~東川道有林の整備では費用便益比がそれぞれ1.2、1.3となり、1.0以上の費用対効果を見込めることが判明した。

以上の検討の結果、既存道路を活用しつつ、宇莫別~東川道有林(既開通区間)を1.5車線整備することになり、上富良野~宇莫別は事業が中止された。2008年度にも再評価が行われたが、費用便益比は1.0と算出され事業継続可能と判定された(2004年度の資料よりも費用便益比が低下している)。1.5車線整備となった区間は2010年に開発道路から北海道に事業が移管されたのち、ノカナン~東川道有林が2012年7月に開通、残る俵真布~忠別間も2013年6月に開通して事業が完了した。いずれの区間も道路の構造規格は3種5級で設計速度30km/h(車道幅員4.00m、曲線半径30m以上、縦断勾配11%以下)に低下しており、冬季閉鎖となる。

以下に、白川美唄線および富良野上川線の上川~上富良野間の概略図を掲載する。本路線が目指していた「新たな広域観光周遊ルートの形成」がどれほど壮大な計画だったのかを感じていただきたい(高規格道路の整備が進んでいることも見逃せない)。

道道白川美唄線認定時(1975年)
道道富良野上川線認定時(1994年)
再評価後(2005年)
現在(2018年)

※重要: 計画ルートは参考資料と地形を基にして推測で描画しているため、正確性は保証しません。


各区間の詳細

富良野~上富良野

この区間は最後まで開発道路に指定されることがなかったが、参考資料のルートを考慮すると道路を新設する計画ではなかったようだ。事業再評価時の資料に掲載されている位置図では、富良野から道道奈江富良野線(現在とはルートが異なる)、上富良野中富良野線、留辺蘂上富良野線、吹上上富良野線、美沢上富良野線を順に辿るように描かれており、それぞれの路線との重用区間になる計画だったのだろう。

なお、平成28年4月1日現在の道路現況調書に記載されている富良野上川線の総延長および重用延長を考慮すると、この区間は富良野上川線の区域とはなっていないと判断される(重用延長2,293mは天人峡美瑛線との重用区間、上宇莫別美瑛停車場線、瑞穂東川線との交点部分の合計にほぼ一致する)。


上富良野~宇莫別

1987年3月5日の建設省告示により道道白川美唄線の忠別~上富良野間が開発道路の指定区間となった。「上富良野」と言っても中心部近くから道路が新設される計画ではなく、指定区間の南端は美瑛町との境界に近い道道美沢上富良野線交点(井牧山の南側)にあった。

道道美沢上富良野線交点から道道上宇莫別美瑛停車場線交点までの間に3度尾根を横断しており、それぞれに延長1km以上のトンネルが計画されていた。また、縦断勾配を抑えるために置杵牛川と宇莫別川の前後では川の上流側にカーブしていたようだ。建設予定だった構造物は以下の通り。

上富良野~宇莫別間の未着工構造物

構造物の名称延長[m](橋梁のみ:)川の名称
清富トンネル1,810-
双葉橋148?
新美聖橋130美瑛川
川向川橋45川向川
川向トンネル1,210-
かじかの沢橋40かじかの沢
置杵牛橋53置杵牛川
砲台橋355砲台の沢
新藤山トンネル1,705-
新藤山橋118?
宇莫別橋62宇莫別川

※トンネルは名称を太字で示した。橋梁は「川の名称」に渡る川または沢の名称を記したが、不明な場合は「?」とした。

本区間はトンネル3本に加え、砲台橋(L=355m)をはじめとする橋梁も8本あり、2004年度の事業再評価で検討された際に、上富良野~東川道有林を計画通りに整備すると残事業の費用便益比が0.3と算出された。1.5車線整備の検討も行われているが、美沢~東川道有林を全て1.5車線整備しても費用便益比は0.8までしか改善しないという結果になり、上富良野~宇莫別の整備は断念された。

なお、この時の1.5車線整備案では既存の道路を活用することが検討されていた。下の図中において緑色の点線で示したルートが、既存の町道を道道に編入して待避所の整備などの改良を行うことで代替ルートとして考えられていた。しかし、1.5車線整備では距離が長くなり走行速度も低下し、交通需要や時間短縮効果が減少して費用対効果が低下するので、結果として実現することはなかった。

上富良野~宇莫別のルートと道道・町道路線名
上富良野~宇莫別の主な構造物

※重要: 当初の建設予定ルートと構造物の位置は参考資料と地形を基にして推測で描画しているため、正確性は保証しません。


宇莫別~忠別

この区間も、1987年3月5日の建設省告示により開発道路の指定区間となった。道道上宇莫別美瑛停車場線交点から天人峡美瑛線交点までの間に2度尾根を横断しているが、宇莫別~俵真布間にはトンネルの計画はなかった。橋梁も2か所のみであった。建設予定だった構造物は以下の通り。
※橋梁のみ、「川の名称」に渡る川または沢の名称を記したが、不明な場合は「?」とした。

宇莫別~忠別間の未着工構造物

構造物の名称延長[m](橋梁のみ:)川の名称
新俵真布橋38?
新辺別橋62辺別川
美瑛トンネル1,705

※トンネルは名称を太字で示した。橋梁は「川の名称」に渡る川または沢の名称を記したが、不明な場合は「?」とした。

2004年度の事業再評価で検討された際に、宇莫別~東川道有林を計画通りに整備すると残事業の費用便益比が0.5と算出された。1.5車線整備の検討により1.2という費用便益比が見込まれたため、計画を変更して事業継続となった。

図中において赤色の実線で示した町道2路線を編入したうえで、俵真布~忠別は新たに1.5車線の道路を建設した(辺別川には辺別川橋(L=51m)を新たに建設。当初計画の新辺別橋とは架橋位置が異なる)。町道朗根内上俵真布線から編入された区間は、2車線が確保されほぼ平坦なため通年通行が可能だが、そのほかの区間は冬季閉鎖となる。

宇莫別~忠別のルートと道道・町道路線名
宇莫別~忠別の主な構造物

※重要: 当初の建設予定ルートと構造物の位置は参考資料と地形を基にして推測で描画しているため、正確性は保証しません。


忠別~瑞穂

白川美唄線の白川~富良野間では最も早く、1983年9月20日の建設省告示により開発道路の指定区間となった。天人峡美瑛線交点から橋梁とトンネルを駆使して高度を上げつつ忠別川と倉沼川支流の分水嶺を突破するルートで、嶺雲橋南詰付近は標高600mを超えている。事業再評価までに9.7kmが供用されており、完成した橋梁も複数ある。供用された橋梁は以下の通り。いずれも幅員8.5m(車道部6.5m)の立派な橋梁である。なお、嶺雲橋以外は道道白川美唄線時代に完成している

忠別~瑞穂間の完成構造物

橋梁の名称延長[m]川の名称
竣工年月
嶺雲橋406幌倉沼川
1996年10月
祥雲橋140倉沼川支流
1992年11月
景雲橋174倉沼川
1992年11月
清水橋120倉沼第一沢川
1988年10月

一方で、建設に至らなかった構造物も多数存在した。以下にその一覧を掲載する。

忠別~瑞穂間の未着工構造物

構造物の名称延長[m](橋梁のみ:)川の名称
東瑛橋400忠別川
野花南大橋400ノカナン沢川
江野橋112?
野花南トンネル258-
江卸橋185チョボチナイ沢
江卸トンネル1,561-
マイタケの沢橋113マイタケの沢

※トンネルは名称を太字で示した。橋梁は「川の名称」に渡る川または沢の名称を記したが、不明な場合は「?」とした。

2004年度の事業再評価で検討された際に、ノカナン~東川道有林を計画通りに整備すると残事業の費用便益比が0.7と算出された。前述の通り宇莫別~東川道有林を1.5車線整備することにより1.2という費用便益比が見込まれたため、計画を変更して事業継続となった。

図中において赤色の実線で示した町道忠別ダム天人峡旭岳線を編入したうえで、ノカナン~東川道有林は1.5車線の道路を建設した。忠別~上忠別橋北詰の区間は天人峡美瑛線および旭川旭岳温泉線との重用区間となった。1.5車線区間は急勾配・急カーブが続き、2車線区間の途中で接続する瑞穂東川線も1.5車線区間があるため、2車線区間も含めてノカナン~瑞穂間が冬季閉鎖となる。

忠別~瑞穂のルートと道道・町道路線名
忠別~瑞穂の主な構造物

※重要: 当初の建設予定ルートと構造物の位置は参考資料と地形を基にして推測で描画しているため、正確性は保証しません。


瑞穂~白川

この区間も最後まで開発道路に指定されることはなかった。参考資料にはかなり大雑把なルートしか描かれていないが、10年ほど前の道路地図や「北海道開発局道路図」には米飯山(920m)の近くで上川町に入り、ヘアピンカーブで愛山渓上川線まで下り、日東東雲線までを結ぶ計画線が描かれている(1枚目の図で再現した)。

あくまで想像だが、瑞穂以南と同様に3種3級の規格で建設する場合、米飯山付近は最低でも2km級のトンネルが必要になり、愛山渓上川線以東では途中で渡るペイトル川の渓谷が比高100m超と深く幅も400m程あるため単純な桁橋にはできないと考えられ、それなりの建設費と工期を要したと思われる。


参考文献・サイト

「一般道道富良野上川線 再評価原案準備書説明資料 平成16年度」
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousei/ud49g7000000cl9b-att/050201_1_4.pdf
「一般道道富良野上川線 再評価原案準備書説明資料 平成20年度」
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousei/ud49g7000000hzc2-att/h210317_2_11.pdf
「道路現況調書 平成29年4月1日現在」
「橋梁現況調書 平成29年4月1日現在」
いずれもhttp://www3.hoctec.or.jp/dgd/general/generalPrintInit.doより最新年度(2020/9/20現在では平成31年度)のものがダウンロード可能
開発道路・美唄富良野線と富良野上川線の指定区間|道道資料北海道
https://www.dodoshiryo-hokkaido.info/dodo/kaihatsu/history/r0871.htm