昭和29年3月1日

この日の告示について

4本の道道路線が認定され、これらの路線に区域が引き継がれた地方費道および準地方費道1本ずつが廃止されました。道路法施行法によって現行道路法下に引き継がれた地方費道・準地方費道が廃止されたのはこの日が初めてです。

なお、この日に認定された道道のうち、2号留辺蘂上川線は昭和35(1960)年8月9日に廃止されています(一級国道39号線が石北峠経由になったため)。一方、ほかの3路線はいずれも昭和39年12月28日建設省告示第3620号で主要地方道に指定されています。

当サイトでは、以下の理由から、2号留辺蘂上川線、3号小樽定山渓線、4号白糠本別線、5号洞爺湖登別線を昭和29年時点で主要地方道に指定された路線として取り扱います。


告示の条文

以下に告示の全文および表を掲載します。原文は縦書きで、整理番号はすべて漢数字です。表中の旧字体は新字体に、整理番号の漢数字は算用数字にそれぞれ修正しました。地方費道・準地方費道から道道への移り変わりの時期にある重要な告示ですので、道道を認定した告示も全文を掲載します。

北海道告示第四百四十九号

道路法第七条の規定により、道道の路線を次のように認定する。

その関係図面は、北海道土木部に備え置いて縦覧に供する。

昭和二十九年三月一日

北海道知事田中敏文

認定
整理番号
路線名起点終点重要な経過地法条
該当号
2留辺蘂上川線常呂郡留辺蘂町(一級国道三十九号線交点)上川郡上川町(一級国道三十九号線交点)第七条一項一号
3小樽定山渓線小樽市新光町(一級国道五号線交点)札幌郡豊平町定山渓第七条一項一号
4白糠本別線白糠郡白糠町(一級国道三十八号線交点)中川郡本別町(道道釧路足寄線交点) [注1]第七条一項一号
5洞爺湖登別線虻田郡虻田町洞爺湖幌別郡幌別町字登別町(一級国道三十六号線交点)壮瞥村第七条一項五号 [注2]

(筆者注)

注1
道道釧路足寄線は旧道路法において認定された準地方費道81号です。この年の3月30日に後継となる道道34号幕別西足寄線(主要地方道)が認定されており、残部の引継が済んだ昭和32年7月25日に廃止されました。
注2
原文では「第三条」の誤記。

北海道告示第四百五十号

道路法第十条第一項の規定により、次の道道の路線を廃止する。その関係図面は、北海道土木部に備え置いて縦覧に供する。

昭和二十九年三月一日

北海道知事田中敏文

認定
整理番号
路線名起点終点重要な経過地法条
該当号
40
(地40)
旭川層雲峡線旭川市四条七丁目 [注3]上川郡上川町層雲峡大函 [注4]
124
(準124)
壮瞥虻田線有珠郡壮瞥村滝ノ上町虻田郡虻田町本町

(筆者注)

  • 原文の整理番号は数字のみです。本ページでは、原文通りの整理番号の後に赤字のカッコ書きで昭和29年3月30日の告示と同形式の整理番号(「準32」など)を併記します。
  • 「法条該当号」欄はいずれも空欄です。なお、地方費道および準地方費道の認定・廃止の告示で法該当号が記載されたことはありません。
  • 注3
    認定時の告示では「四条八丁目」と表記されています。いずれも現在の4条通と平和通の交点(地理院地図)を指しますが、あえて起点表記を変えた意図は不明です。
    注4
    区域決定の告示では「小函」と表記されているため、後に延伸された可能性が考えられます。

    参考文献


    告示出典