昭和7年12月9日
この日の告示について
大正11年7月21日に根室停車場線が認定されて以来10年ぶりとなる地方費道の認定が行われました。5本の地方費道が認定され、地方費道は全部で31路線となりました。
なお、この日に認定された地方費道によって全線が重複することになった準地方費道は、この日の時点では廃止されず存続しました。これらの路線は昭和10年5月23日に行われた地方費道・準地方費道の再編対象路線とまとめて、昭和10年8月31日に廃止されました。
告示の条文
以下に告示の全文および表を掲載します。原文は縦書きで、整理番号はいずれの告示でも漢数字です。なお、表中の旧字体は新字体に修正しました(修正を施した旧字体と新字体の対応表は告示の後に掲載します)。
なお、告示原文は、告示第1675号は『北海タイムス』のマイクロフィルム資料を、告示第1676号は『現行北海道庁土木令規 上巻』(国立国会図書館デジタルコレクションで登録者のみ閲覧可能)をそれぞれ参考にして書き起こしています。
北海道庁告示第千六百七十五号
北海道地方費道ノ路線ヲ左ノ通認定ス
昭和七年十二月九日
北海道庁長官佐上 信一
第一号表
番号 路線名 起点名 終点名 重要ナル経過地 (二七) 室蘭函館線 室蘭市海岸町 函館市東浜町 国道四号線(山越郡長万部村ニ於テ分岐)、虻田郡豊浦村、有珠郡伊達町 [注1] (二八) 福山函館線 松前郡福山町大字大松前町 函館市東浜町 国道四号線(函館市海岸町ニ於テ分岐)、上磯郡木古内村、松前郡福島村 [注2] (二九) 札幌夕張線 札幌市北三条西五丁目 夕張郡夕張町夕張停車場 国道二十七号線(札幌郡白石村字大谷地ニ於テ分岐)、夕張郡由仁村、(国道二十八号線経由)、夕張郡角田村 (三〇) 阿寒湖畔釧路線 阿寒郡舌辛村大字飽別村阿寒湖畔 釧路市幣舞町 地方費道札幌根室線(釧路市字大楽毛ニ於テ分岐)、阿寒郡舌辛村 [注3] (三一) 阿寒湖畔網走線 阿寒郡舌辛村大字飽別村阿寒湖畔 網走郡網走町大字北見町 網走郡津別村
(筆者注)
- 注1
- 経過地の順番が逆です。前身路線である準地方費道長万部停車場室蘭線の向きのままで経過地を設定してしまった可能性が考えられます。実際の経過地通りの表記をすると、「国道二十八号線(室蘭市輪西町ニ於テ分岐)、有珠郡伊達町、虻田郡豊浦村、山越郡長万部村(国道四号線経由)」となるべきでしょう。
- 注2
- 経過地の順番が逆です。前身路線である準地方費道函館福山線の向きのままで経過地を設定してしまった可能性が考えられます。実際の経過地通りの表記をすると、「松前郡福島村、上磯郡木古内村、函館市海岸町(国道四号線経由)」となるべきでしょう。
- 注3
- 経過地の順番が逆です。前身路線である準地方費道釧路網走線の向きのままで経過地を設定してしまった可能性が考えられます。実際の経過地通りの表記をすると、「阿寒郡舌辛村、釧路市字大楽毛(地方費道札幌根室線経由)」となるべきでしょう。
- 原文は縦書きで、数字は全て漢数字です。経過地の欄では改行や読点を挟まずに複数の事項をつなげて記載している箇所が多くなっています。本ページでは適宜読点を補っています。
- この日に認定された地方費道はいずれの路線も既存の準地方費道を昇格させたものとなっています。路線の対応を以下に記します。なお、前述の通りいずれの準地方費道もこの日の時点では廃止されず、昭和10年8月31日に廃止されました。
- 地方費道27号室蘭函館線←準地方費道11号長万部停車場室蘭線
- 地方費道28号福山函館線←準地方費道16号函館福山線
- 地方費道29号札幌夕張線←準地方費道37号札幌夕張線、準地方費道93号夕張停車場線
- 地方費道30号阿寒湖畔釧路線および地方費道31号阿寒湖畔網走線←準地方費道77号釧路網走線
北海道庁告示第千六百七十六号
北海道地方費道 室蘭函館線、福山函館線、札幌夕張線、阿寒湖畔釧路線、阿寒湖畔網走線ノ道路及附属物ノ区域ヲ左ノ通定ム
昭和七年十二月九日
北海道庁長官佐上 信一
第二号表
番号 路線名 区間 道路ノ区域 附属物ノ名称及区域 延長 幅員 名称 延長 幅員 (二七) 室蘭函館線 自 山越郡長万部村国道四号線分岐点
至 室蘭市輪西町国道二十八号線分岐点 [注4]95km538m 9m09
乃至
32m00礼文華橋 10m 91 4m 06 茶津橋 5 45 3 15 小鉾岸橋 25 45 4 00 学田橋 5 45 4 06 弁辺橋 50 91 3 76 旭橋 3 64 4 97 蟻取橋 6 40 4 00 一ノ沢橋 4 55 4 06 二ノ沢橋 2 73 4 06 茶津橋 2 73 4 06 幌内橋 10 00 4 06 虻田橋 5 45 3 15 赤川橋 5 00 5 00 板谷橋 5 00 5 00 第二床丹橋 3 03 3 15 第一床丹橋 3 94 4 06 清水橋 3 64 3 15 豊年橋 12 70 4 00 長流橋 218 33 4 61 小猿橋 8 48 3 18 館山橋 20 00 6 40 紋鼈橋 10 90 6 40 網代橋 4 50 6 20 伊達橋 2 73 3 18 谷藤橋 10 91 4 06 オビルネップ橋 19 09 3 15 第二黄金蘂橋 5 45 4 06 第一黄金蘂橋 3 64 4 06 第二千舞鼈橋 3 64 3 15 第一千舞鼈橋 3 64 3 15 ペケレウダ橋 9 09 4 00 春雨橋 3 64 4 00 輪西橋 9 09 3 94 第七号橋 2 00 4 00 第三塵別橋 5 00 4 00 第二塵別橋 5 45 4 06 新輪西橋 2 73 7 88 長万部橋 [注5] 58 18 3 64 ポクサタナイ小橋 [注5] 4 00 4 56 クサタナイ橋 [注5] 11 00 4 56 静狩橋 [注5] 5 45 4 56 虻第三号橋 [注5] 4 00 4 56 虻第四号橋 [注5] 5 45 4 56 虻第五号橋 [注5] 3 00 4 56 虻第七号橋 [注5] 2 00 4 56 虻第八号橋 [注5] 2 00 4 56 虻第十号橋 [注5] 5 45 4 56 虻第十一号橋 [注5] 5 45 4 56 虻第十二号橋 [注5] 5 00 4 56 (二八) 福山函館線 自 松前郡福山町大字大松前町
至 函館市海岸町国道四号線分岐点98km355m9 5m45
乃至
21m81ボみ川橋 [注6] 2 12 4 55 茂平橋 6 36 4 55 第二百八十九号橋 3 00 5 56 第二百八十八号橋 2 73 4 55 常盤橋 13 64 3 64 御手洗橋 6 50 6 00 有川橋 54 55 4 55 戸切地橋 26 67 4 55 古川橋 3 75 6 30 新川橋 7 27 5 45 端ノ川橋 4 55 6 10 柳渓橋 34 55 4 55 柳渓小橋 3 64 4 55 富川橋 12 73 4 55 矢不来橋 [注7] 4 00 5 56 茂辺地橋 4 91 4 55 当別橋 10 61 4 55 大当別橋 30 00 5 00 瑞石橋 [注8] 4 00 4 55 江差橋 3 64 4 55 石別橋 2 73 4 55 潮来渡橋 3 00 5 30 釜谷橋 27 27 4 55 ダラダラ石橋 [注9] 2 00 4 55 下ノ川橋 5 00 5 56 上ノ川橋 4 55 4 55 亀川橋 22 73 4 55 端暮橋 5 45 4 55 小幸蓮橋 3 64 3 64 紅蓮橋 43 64 3 64 蛇内橋 2 73 4 55 大平橋 8 18 5 45 佐女川橋 6 36 5 45 木古内橋 50 00 4 55 小塩辛橋 4 54 4 54 亜麻橋 3 00 4 56 建有川橋 14 00 4 56 中ノ川橋 7 27 4 55 森越橋 18 00 3 56 稲荷橋 16 00 4 55 重内橋 10 91 4 55 第二三八号橋 5 45 4 58 知内小橋 5 45 4 55 知内橋 7 27 4 55 頃内橋 14 00 5 56 神馬橋 7 00 4 56 下東莱橋 10 00 4 56 中東莱橋 10 90 3 64 上東莱橋 10 90 4 55 茅堀橋 7 27 3 64 出石橋 11 84 3 64 大学橋 2 10 4 55 萩茶里橋 101 82 4 55 七峰橋 70 91 3 64 湯ノ川橋 36 00 4 56 綱配橋 30 00 4 55 市渡橋 56 36 3 64 雪見橋 2 73 3 64 朝霧橋 3 64 3 64 霞橋 2 73 3 64 鴨沢橋 5 45 3 64 茂山小橋 6 00 4 56 茂山橋 22 73 3 64 山崎橋 3 64 3 64 五四郎橋 2 73 3 64 館山橋 6 36 3 64 吉岡橋 43 64 3 64 福島橋 2 73 4 55 小川橋 3 64 3 64 白符橋 16 36 4 55 澗内橋 21 21 4 55 宮歌橋 5 45 4 55 貝取沼橋 3 64 4 55 吉岡橋 9 09 4 33 礼髭橋 6 36 4 55 地蔵橋 2 73 9 85 二股橋 3 64 4 55 富元橋 5 45 4 55 鷹野橋 5 45 4 55 荒谷橋 10 91 4 55 櫃ノ下橋 6 36 4 55 大沢橋 28 00 4 56 大沢小橋 3 64 4 55 鳥居橋 4 50 4 56 大橋 32 72 4 55 沖見橋 4 25 4 56 (二九) 札幌夕張線 自 札幌郡白石町国道二十七号線分岐点
至 夕張郡夕張町夕張停車場47,883m47 3m63
乃至
36m36立花橋 7 27 5 44 行幸橋 4 53 10 30 中央橋 12 72 4 53 島松川橋 12 72 4 53 排水橋 5 45 3 63 古川橋 10 90 3 63 排水橋 5 45 3 63 排水橋 4 53 3 63 牛谷橋 3 63 3 63 温泉橋 4 53 3 63 村界橋 9 09 3 63 伏古橋 7 27 4 53 二股橋 28 50 4 70 大井分橋 8 18 3 63 第一号橋 7 27 3 63 第二号橋 7 27 3 63 第四号橋 4 53 4 53 第五号橋 4 53 2 72 第六号橋 16 36 3 63 新夕張橋 3 63 3 63 栄橋 69 13 7 27 住初橋 14 54 4 53 (三〇) 阿寒湖畔釧路線 自 阿寒郡舌辛村大字飽別村阿寒湖畔
至 釧路市大楽毛地方費道札幌根室線分岐点 [注10]67km048m69 10m9
乃至
32m0三日月橋 20 00 3 60 蕪橋 5 50 4 50 阜橋 3 60 3 60 扇橋 3 00 4 00 菫橋 3 00 4 00 相生橋 10 90 4 50 時岡橋 12 70 3 60 荒磯橋 9 10 3 60 高谷橋 7 30 3 60 内藤橋 7 30 3 60 沼館橋 3 60 3 60 霰橋 4 50 3 60 迂遠別橋 27 30 3 60 鳳橋 3 60 3 60 茜橋 7 30 3 60 万橋 7 30 3 60 旭橋 7 30 3 60 乙別橋 16 40 3 60 睦橋 3 60 3 60 富士見橋 83 30 4 50 巽橋 3 60 3 60 高橋 3 60 3 60 松之恵橋 74 20 4 50 勇橋 3 60 3 60 柳橋 3 00 4 00 洗橋 3 60 3 60 半月橋 12 70 3 60 橘橋 2 00 4 60 彩橋 7 00 4 60 暁橋 2 00 4 60 阿寒川橋 34 60 4 60 桂橋 2 70 3 60 憩橋 2 70 2 70 祝橋 3 60 2 70 温根内橋 18 20 3 60 恵橋 8 00 4 60 仰橋 5 50 3 60 雌阿寒橋 18 30 3 90 大沢橋 10 90 3 60 寛橋 2 70 3 60 楠橋 5 50 3 60 (三一) 阿寒湖畔網走線 自 阿寒郡舌辛村大字飽別阿寒湖畔
至 網走郡津別村地方費道帯広網走線分岐点28km056m21 10m9
乃至
29m1楓橋 8 20 3 60 常盤木橋 18 20 3 60 福寿橋 12 70 3 60 栄橋 3 60 3 60 万代橋 16 40 3 60 翠橋 5 50 3 60 曙橋 7 30 3 60 宝橋 6 40 3 60 泉橋 2 70 3 60 千年橋 10 90 3 60 幸橋 6 40 3 60 勝橋 8 20 3 60 大和橋 9 10 3 60 第一号橋 5 50 3 60 第二号橋 4 50 3 60 第三号橋 7 30 3 60 第四号橋 3 60 3 60 第五号橋 12 70 3 60 第六号橋 3 60 3 60 第七号橋 4 50 3 60 第九号橋 12 70 3 60 第十号橋 27 30 3 60 第十一号橋 4 60 3 60 第十二号橋 4 60 3 60 第十三号橋 25 50 3 60 第十四号橋 6 40 3 60 第十五号橋 14 50 3 60
(筆者注)
- 注4
- 実際の路線と区間の方向が逆です。実際の方向通りの表記をすると、「自 室蘭市輪西町国道二十八号線分岐点、至 山越郡長万部村国道四号線分岐点」となるべきでしょう。また、路線そのものの方向を逆に考えてしまっていることから、附属物(橋梁)の記載順も終点→起点方向になってしまっています。
- 注5
- 長万部橋から静狩橋までは長万部村内の橋梁であり、(終点→起点方向で記載されていることを考慮すると)表の先頭側に記載すべきでしょう。また、一連の「虻第○号橋」については虻田村内にあったと考えられるので、こちらも順番通りに記載されているとは言えません。
- 注6
- 原文ママ。「ボみ川」については詳細不明です。
- 注7
- 原文では「天不来橋」の誤記。
- 注8
- 原文では「端石橋」の誤記。
- 注9
- 原文ではくの字点を使って「ダラ」を繰り返しています。
- 注10
- 区間欄には実際の路線通りの起終点が記されていますが、附属物(橋梁)の記載順は終点→起点方向になってしまっています。
- 原文は縦書きで、数字は全て漢数字です。また、附属物の延長および幅員の数値における単位の表記は先頭の欄のみに表記されています。起点終点の欄などでは改行や空白を挟まずに複数の事項をつなげて記載している箇所が多くなっています。
本ページでは適宜改行と空白を補ったうえで、以下の表記を書き換えています。- 延長、幅員の数値部分の漢数字→算用数字
- 桁区切りの読点(、)→カンマ(,)
- 「米」、「粁」→「m」、「km」
各路線の詳細
※注意:この節には筆者の推測をもとに書かれている部分があります。ご了承ください。
「現行路線」は、現行の国道及び道道のうち当時のルート上に存在するもの(路線番号は現行のもの)を、「廃止後引継路線」は廃止された地方費道及び準地方費道の後を引き継ぐ形で認定された路線(そのうち廃止と同時に認定された路線は太字、路線番号はいずれも認定当初のもの)を掲載します。
地方費道27号 室蘭函館線
- 現行路線:(R36の一部)、R37、(R5の一部)
- 廃止後引継路線:一級国道37号
室蘭市道路元標を起点とし、おおよそ現在のR36、R37、R5のルートで函館市道路元標に至る路線でした。準地方費道11号長万部停車場室蘭線の方向を変えて、函館まで延伸したうえで地方費道に昇格させた形です。
一級国道37号の指定に伴って昭和29年3月30日に廃止されました。一級国道に引き継がれる際に再び方向の入替と短縮が行われ、長万部~室蘭の路線に戻りました。
地方費道28号 福山函館線
- 現行路線:R228の一部、(R5の一部)
- 廃止後引継路線:二級国道228号函館松前江差線の一部
福山町(現: 松前町)道路元標を起点とし、おおよそ現在のR228のルートで函館市海岸町(現: 万代町)に至り、そこから国道四号線(現: R5)に重複して函館市道路元標に至る路線でした。準地方費道16号函館福山線の方向を変えて地方費道に昇格させた形です。福山町が昭和15年に改称し松前町となったため、昭和25年11月7日に松前函館線へ改称されました。
二級国道函館松前江差線の指定に伴って昭和29年3月30日に廃止されました。二級国道に引き継がれる際に組み合わされた地方費道33号江差松前線(認定時は江差福山線)の認定は昭和10年5月23日のことで、昭和7年時点の江差~福山間は準地方費道17号福山江差線でした。
地方費道29号 札幌夕張線
- 現行路線:(R12の一部)、札幌市道上野幌中央線、r3の一部、r38の一部
- 廃止後引継路線:r6札幌夕張線
札幌市道路元標を起点とし、国道二十七号線(現: R12)に重複して白石村字大谷地(現: 札幌市厚別区大谷地)で分岐し、そこからおおよそ現在のr3札幌夕張線およびr38夕張岩見沢線のルートで夕張駅(所在地は夕張市福住)に至る路線でした。準地方費道37号札幌夕張線と準地方費道93号夕張停車場線を組み合わせて地方費道に昇格させた形です。
全線がr6札幌夕張線(主要地方道)に引き継がれて昭和29年3月30日に廃止されました。その後、札幌市内のルート変更(参考: 『道道資料北海道』)や夕張市内での路線短縮(参考: 『道道資料北海道』)が行われています。
地方費道30号 阿寒湖畔釧路線
- 現行路線:R240の一部、(R38の一部)
- 廃止後引継路線:二級国道240号釧路網走線の一部
舌辛村大字飽別阿寒湖畔(現: 釧路市阿寒町阿寒湖温泉)を起点とし、おおよそ現在のR240およびR38のルートで釧路市道路元標に至る路線でした。準地方費道77号釧路網走線のうち阿寒湖畔より南側を地方費道に昇格させた形です。起点の詳細な位置は不明ですが、現在阿寒湖郵便局などがある阿寒湖温泉2丁目付近と推測されます。
二級国道釧路網走線の指定に伴って昭和29年3月30日に廃止されました。二級国道への引継の際に阿寒湖畔網走線と組み合わされて再び釧路~網走間の路線という形に戻りました。
地方費道31号 阿寒湖畔釧路線
- 現行路線:R240の一部、(R39の一部)
- 廃止後引継路線:二級国道240号釧路網走線の一部
舌辛村大字飽別阿寒湖畔(現: 釧路市阿寒町阿寒湖温泉)を起点とし、おおよそ現在のR240およびR39のルートで網走町(現: 網走市)道路元標に至る路線でした。準地方費道77号釧路網走線のうち阿寒湖畔より北側を地方費道に昇格させた形です。
二級国道釧路網走線の指定に伴って昭和29年3月30日に廃止されました。二級国道への引継の際に阿寒湖畔釧路線と組み合わされて再び釧路~網走間の路線という形に戻りました。
修正対象の旧字体一覧
上記告示中で修正対象とした旧字体と、修正後の新字体との対応をまとめた表です。
PDFで見る(新規タブ)
ただし、「麻」などこちらの環境で再現できなかった文字はこの表に含まれていません。
昭和7年12月9日時点での地方費道・準地方費道一覧
昭和7年12月9日時点で存在していた路線を反映した路線網図を下に掲載します。
画像をクリックするとPDFで詳細な図を表示します。
また、この日の時点で存在していた路線の一覧を以下に掲載します。
地方費道
整理番号 | 路線名 |
---|---|
1 | 札幌江差線 |
2 | 札幌浦河線 |
3 | 札幌根室線 |
4 | 札幌稚内線 |
5 | 旭川根室線 |
6 | 旭川稚内線 |
7 | 帯広浦河線 |
8 | 帯広網走線 |
9 | 稚内網走線 |
10 | 網走釧路港線 |
11 | 札幌岩内線 |
12 | 札幌円山線 |
13 | 札幌停車場線 |
14 | 函館停車場線 |
15 | 倶知安停車場線 |
16 | 小樽中央小樽停車場線 [注12] |
17 | 小樽港線 |
18 | 旭川停車場線 |
19 | 留萌停車場線 |
20 | 留萌港線 |
21 | 網走停車場線 |
22 | 網走港線 |
23 | 帯広停車場線 |
24 | 釧路停車場線 |
25 | 根室港線 |
26 | 根室停車場線 |
27 | 室蘭函館線 |
28 | 福山函館線 [注12] |
29 | 札幌夕張線 |
30 | 阿寒湖畔釧路線 |
31 | 阿寒湖畔網走線 |
準地方費道
整理番号 | 路線名 |
---|---|
1 | 札幌倶知安線 |
2 | 札幌留萌線 |
3 | 札幌広島線 |
4 | 札幌篠路線 |
5 | 札幌恵庭線 |
6 | 札幌札幌村線 |
7 | 札幌新篠津線 |
8 | 石狩軽川停車場線 |
9 | 厚田岩見沢停車場線 |
10 | 浜益滝川停車場線 |
11 | 長万部停車場室蘭線 |
12 | 函館椴法華線 |
13 | 椴法華森港線 |
14 | 函館大野線 |
15 | 函館江差線 |
16 | 函館福山線 |
17 | 福山江差線 |
18 | 江差岩内線 |
19 | 江差久遠線 |
20 | 江差太櫓線 |
21 | 熊石八雲停車場線 |
22 | 瀬棚国縫停車場線 |
23 | 大野本郷停車場線 [注12] |
24 | 倶知安室蘭線 |
25 | 寿都港蕨岱停車場線 |
26 | 倶知安磯谷線 |
27 | 徳舜瞥倶知安線 [注12] |
28 | 徳舜瞥伊達線 [注12] |
29 | 入舸岩内線 |
30 | 倶知安高島線 |
31 | 倶知安発足線 |
32 | 倶知安入舸線 |
33 | 倶知安赤井川線 |
34 | 留寿都狩太停車場線 [注12] |
35 | 岩見沢長沼線 |
36 | 岩見沢幌向線 |
37 | 札幌夕張線 |
38 | 岩見沢三笠山線 [注12] |
39 | 岩見沢北線 |
40 | 岩見沢浦臼線 |
41 | 岩見沢歌志内線 |
42 | 岩見沢秩父別線 |
43 | 深川和寒線 |
44 | 深川停車場線 |
45 | 旭川留萌線 |
46 | 旭川当麻線 |
47 | 旭川東川線 |
48 | 旭川上士別線 |
49 | 名寄停車場天塩港線 |
50 | 旭川江丹別線 |
51 | 名寄紋別港線 |
52 | 下富良野停車場線 [注12] |
53 | 留萌幌延線 |
54 | 増毛港線 |
55 | 稚内鬼脇線 |
56 | 稚内沓形線 |
57 | 沓形鬼脇線 |
58 | 稚内船泊線 |
59 | 枝幸港小頓別停車場線 |
60 | 旭川下湧別線 |
61 | 常呂留辺蘂線 |
62 | 網走置戸線 |
63 | 網走滝ノ上線 |
64 | 野付牛停車場線 [注12] |
65 | 室蘭浦河線 |
66 | 室蘭穂別線 [注12] |
67 | 苫小牧停車場線 |
68 | 浦河旭川線 |
69 | 浦河市父線 |
70 | 浦河佐瑠太停車場線 [注12] |
71 | 浦河港線 |
72 | 帯広本別線 |
73 | 帯広新得線 [注12] |
74 | 帯広池田線 [注12] |
75 | 広尾豊頃停車場線 |
76 | 広尾港線 |
77 | 釧路網走線 |
78 | 釧路鳥取線 |
79 | 釧路昆布森線 |
80 | 釧路浜中線 |
81 | 釧路足寄線 |
82 | 根室歯舞線 |
83 | 根室羅臼線 [注12] |
84 | 根室乳呑路線 |
85 | 根室蘂取線 |
86 | 標津厚岸港線 [注11] |
87 | 根室落石線 |
88 | 札幌当別線 |
89 | 函館亀田線 |
90 | 旭川鷹栖線 |
91 | 岩見沢納内線 |
92 | 岩見沢雨竜線 |
93 | 夕張停車場線 |
94 | 函館鹿部線 |
95 | 利別八雲線 [注12] |
96 | カルルス登別停車場線 |
97 | 稚内猿払線 |
98 | 網走女満別線 |
99 | 常呂野付牛線 |
100 | 帯広鹿追線 |
101 | 寿都停車場線 |
102 | 沼田妹背牛停車場線 |
103 | 旭川智恵文線 |
104 | 追分停車場線 |
105 | 芦別神居古潭線 |
106 | 長沼江別線 |
107 | 雄武美深線 |
108 | 網走生田原線 |
109 | 広尾止若線 [注12] |
110 | 弟子屈美幌停車場線 |
111 | 沓形港線 |
112 | 紋別停車場線 |
113 | 池田停車場線 |
114 | 旭川温根別線 |
115 | 士幌本別線 |
(筆者注)
- 注11
- 認定時の告示では「標津厚岸線」と記載されていますが、後年の資料および告示では一貫して「標津厚岸港線」と記載されています。当サイトでは認定時の告示の誤記と判断し、「標津厚岸港線」として取り扱います。
- 注12
- これらの路線は廃止時に認定時とは異なる路線名になっています。認定時と廃止時の路線名の対応と、変更日は以下の表のとおりです。なお、「S7.12.9時点で反映済」欄に○を付けている路線は、昭和7年12月9日以前に路線名が変更されており、上記の路線網図および路線一覧にて変更後の路線名を記載している路線です。
整理 番号 | 認定時の路線名 | 廃止時の路線名 | 変更日 | S7.12.9 時点で反映済 |
---|---|---|---|---|
地方費道 | ||||
16 | 小樽中央小樽停車場線 | 小樽停車場線 | S25.11.7 | |
28 | 福山函館線 | 松前函館線 | S25.11.7 | |
準地方費道 | ||||
23 | 大野本郷停車場線 | 大野渡島大野停車場線 | S25.11.7 | |
27 | 徳舜瞥倶知安線 | 大滝倶知安線 | S25.11.7 | |
28 | 徳舜瞥伊達線 | 大滝伊達線 | S25.11.7 | |
34 | 真狩狩太停車場線 | 留寿都狩太停車場線 | S6.8.5 | ○ |
38 | 岩見沢三笠山線 | 岩見沢三笠線 | S25.11.7 | |
52 | 下富良野停車場線 | 富良野停車場線 | S25.11.7 | |
64 | 野付牛停車場線 | 北見停車場線 | S25.11.7 | |
66 | 室蘭似湾線 | 室蘭穂別線 | S6.8.5 | ○ |
70 | 浦河佐瑠太停車場線 | 浦河富川停車場線 | S25.11.7 | |
73 | 帯広屈足線 | 帯広新得線 | S6.8.5 | ○ |
74 | 帯広川合線 | 帯広池田線 | S6.8.5 | ○ |
83 | 根室植別線 | 根室羅臼線 | S6.8.5 | ○ |
95 | 利別八雲線 | 今金八雲線 | S25.11.7 | |
109 | 広尾止若線 | 広尾幕別線 | S25.11.7 |
告示出典
- 昭和7年12月9日北海道庁告示第1675号: 昭和7年12月9日発行『北海タイムス』日刊(第14979号)pp.4-5「北海道庁公文」中
- 昭和7年12月9日北海道庁告示第1676号: 北海道庁土木部 編『現行北海道庁土木令規』上巻 第6-9章,大日本法令出版北海道出張所,pp.76-83,1940. 国立国会図書館デジタルコレクション(登録利用者のみ閲覧可能)