昭和25年11月7日

この日の告示について

この日の告示では、一部の路線で自治体名や駅名の改称を反映した新しい路線名への改正が行われました。同様の改正は昭和6(1931)年8月5日にも行われましたが、あちらが準地方費道だけを対象にしていたのに対し、今回の告示では地方費道も改正対象となっています。

路線名改正の対象となった地方費道3路線のうち、(新)小樽停車場線については、大正9(1920)年4月1日の認定から間もない同年7月15日に駅名が改称されていますが、路線名が改正されるまで実に30年以上が経過しています。昭和6年の路線名改正の際は地方費道が対象に入っていなかったため、路線名が改正されることなく放置されてしまったのでしょう。

一方、準地方費道は昭和6年の告示で5路線(うち1路線は昭和17(1942)年に廃止)の路線名が改正されていたため、今回の改正対象路線の大半は昭和6年以降に生じた自治体名/駅名の改称に伴うものです。ただし、109号(新)広尾幕別線は認定時点(昭和3(1928)年)で終点の自治体名が幕別村であったため、自治体名変更に伴う路線名改正とはいえません。昭和19(1944)年に字名改正(ただし「止若」の地名はこの時点では廃止されていない)、昭和21年に町制を行っていますが、これらが路線名改正を行うに足る出来事であったかどうかは不明です。


告示の条文

以下に告示の全文および表を掲載します。原文は縦書きで、整理番号および認定年月日中の数字は漢数字です。また、「認定年月日」の列には認定時の告示を掲載しているページへのリンクを設定しています(ページ未公開の場合はリンクなし)。なお、表中の旧字体は新字体に修正しました。

北海道告示第九百八十四号

北海道地方費道、準地方費道の路線名の一部を、次のとおり改正する。

昭和二十五年十一月七日

北海道知事田中敏文

道路種別認定
番号
認定年月日路線名備考(旧路線名)
地方費道16大正九年四月一日小樽停車場線小樽中央小樽停車場線
28昭和七年十二月九日松前函館線福山函館線
33昭和十年五月二十三日江差松前線江差福山線
準地方費道23大正九年四月一日大野渡島大野停車場線大野本郷停車場線
27大滝倶知安線徳舜瞥倶知安線
28大滝伊達線徳舜瞥伊達線
38岩見沢三笠線岩見沢三笠山線
52富良野停車場線下富良野停車場線
64北見停車場線野付牛停車場線
70浦河富川停車場線浦川佐瑠太停車場線
95大正十一年七月二十一日今金八雲線利別八雲線
109昭和三年五月二十六日広尾幕別線広尾止若線
119昭和十年五月二十三日恵庭栗山線恵庭角田線
120京極豊浦線東倶知安豊浦線

(筆者注)

  • 準地方費道109号広尾幕別線を除いて、自治体名または駅名の変更を反映した路線名変更となっています。名称が変更された自治体や駅について、以下の表にまとめます。
整理
番号
路線名備考(変更対象の自治体名/駅名等)
認定時廃止時
地方費道
16小樽中央小樽停車場線小樽停車場線T9.7.15に中央小樽駅→小樽駅
28福山函館線松前函館線S15.7.1に福山町→松前町
33江差福山線江差松前線同上
準地方費道
23大野本郷停車場線大野渡島大野停車場線S17.4.1に本郷駅→渡島大野駅
27徳舜瞥倶知安線大滝倶知安線S25.9.1に徳舜瞥村→大滝村
28徳舜瞥伊達線大滝伊達線同上
38岩見沢三笠山線岩見沢三笠線S17.9.1に三笠山村→三笠町
52下富良野停車場線富良野停車場線S17.4.1に下富良野駅→富良野駅
(下富良野村→富良野町の町制改称はT8.4.1)
64野付牛停車場線北見停車場線S17.10.1に野付牛駅→北見駅
(野付牛町→北見市の市制改称はS17.6.10)
70浦川佐瑠太停車場線浦河富川停車場線S19.4.1に佐瑠太駅→富川駅
95利別八雲線今金八雲線S22.10.1に利別村→今金町
109広尾止若線広尾幕別線(不明)
119恵庭角田線恵庭栗山線S24.4.1に角田村→栗山町
120東倶知安豊浦線京極豊浦線S15.4.1に東倶知安村→京極村

告示出典