昭和22年8月25日
この日の告示について
戦後では初めて準地方費道の認定が行われました。この日は15本の準地方費道が認定され、同時に1本の地方費道と6本の準地方費道が廃止されました。なお、現行道路法施行前に廃止された地方費道はこの日の川湯川湯停車場線のみです。
余談となりますが、地方費道・準地方費道の認定・廃止に係る告示としては、昭和22(1947)年5月3日に地方自治法の施行により地方公共団体としての北海道が発足して以降初めてのものでもあります。以前の告示と比較すると、「北海道庁告示」が「北海道告示」に、「北海道庁長官」が「北海道知事」にそれぞれ変更されています。
告示の条文
以下に告示の全文および表を掲載します。原文は縦書きで、整理番号は漢数字です。なお、表中の旧字体は新字体に修正しました(修正を施した旧字体と新字体の対応表は告示の後に掲載します)。
北海道告示第九百八号
北海道準地方費道の路線を次のように認定する。
昭和二十二年八月二十五日
北海道知事田中敏文
番号 路線名 起点名 終点名 重要なる経過地 一六二 増毛港妹背牛停車場線 増毛郡増毛町増毛港 雨竜郡妹背牛村妹背牛停車場 [注1] 増毛町信砂、北竜村 一六三 留萌達布線 留萌郡留萌町元標 留萌郡小平蘂村字達布 一六四 茂尻砂川線 空知郡赤平町字茂尻 空知郡砂川町 歌志内町、砂川町上砂川 一六五 美唄炭山美唄停車場線 空知郡美唄町字常盤台 空知郡美唄町美唄停車場 美唄町我路 一六六 万字炭山岩見沢停車場線 空知郡栗沢村万字炭山 岩見沢市岩見沢停車場 栗沢村美流渡、岩見沢市志文 [注2] 一六七 輪厚栗山線 札幌郡広島村字輪厚 夕張郡角田村字栗山 広島村、幌向村、長沼村 一六八 旭川松山線 旭川市元標 上川郡東川村松山温泉 東旭川村、東川村、東神楽村、美瑛町 一六九 当麻比布線 上川郡当麻村元標 上川郡比布村元標 一七〇 上渚滑丸瀬布線 紋別郡上渚滑村元標 紋別郡丸瀬布村元標 立牛 一七一 二股留辺蘂停車場線 常呂郡留辺蘂町字二股 常呂郡留辺蘂町留辺蘂停車場 温根湯温泉 一七二 斜里美幌線 斜里郡斜里町元標 網走郡美幌町元標 上斜里村、小清水村、網走町、女満別村 一七三 宇登呂港斜里停車場線 斜里郡斜里町字宇登呂港 斜里郡斜里町斜里停車場 一七四 川湯弟子屈線 川上郡弟子屈町字川湯 [注3] 川上郡弟子屈町元標 [注3] 摩周湖 一七五 釧路弟子屈線 釧路市元標 川上郡弟子屈町元標 [注3] 鳥取町、鶴居村、標茶村 一七六 池田大津線 中川郡池田町元標 大津村元標 豊頃村、浦幌村
(筆者注)
- 注1
- 原文では「妹背停車場」の誤記。
- 注2
- 原文では「美流度」の誤記。
- 注3
- 原文では「弟子屈村」の誤記。告示前の昭和22年7月1日に町制施行済みです。
- 鉱山に関連する路線が多く見受けられます。それぞれ、留萌達布線は達布炭鉱(天塩炭鉱)、茂尻砂川線は茂尻炭鉱および歌志内町内の各炭鉱、美唄炭山美唄停車場線は美唄炭鉱、万字炭山岩見沢停車場線は万字炭鉱、二股留辺蘂停車場線はイトムカ鉱山(主要鉱石は自然水銀)へのアクセスを意識した路線認定と考えられます。
北海道告示第九百九号
次の北海道準地方費道の路線の認定はこれを廃止する。
昭和二十二年八月二十五日
北海道知事田中敏文
番号 路線名 四一 岩見沢歌志内線 四七 旭川東川線 七八 釧路鳥取線 一〇二 沼田妹背牛停車場線 一三二 釧路鶴居線 一四一 小清水美幌線
北海道告示第九百十号
北海道準地方費道増毛港妹背牛停車場線外十四線の道路及び其の附属物の区域を左の通り定め供用を開始する。
昭和二十二年八月二十五日
道路管理者
北海道知事田中敏文
認定路線番号 路線名 認定路線起点
終点路線延長 道路及附属物 区域 延長計 他の道路に属する区間延長 認定前
路線名起点箇所名 道路 橋梁 渡船 終点箇所名 延長 幅員 延長 幅員 延長 一六二 増毛、妹背牛停車場線 増毛郡増毛町増毛港
雨竜郡妹背牛村妹背牛停車場64,144.87 増毛町信砂
増毛、北竜町村界26,671.80 10.91
21.8194.20 3.0 26,766.00 準地方費道増毛港線
752,54
札幌留萌線
6,852.00
[注4]増毛町町村道
信砂、恵岱別線同
北竜村字和20,538.10 10.91 161.90 3.0
4.020,700.00 北竜村町村道
和、増毛線同
妹背牛村妹背牛駅8,903.27 7.27
21.81161.06 3.0
4.09,064.33 旧準地方費道
沼田、妹背牛停車場線計 56,112.17 417.16 56,530.33 7,614.54 一六三 留萌達布線 留萌郡留萌町元標
小平蘂村字達布33,528.00 小平蘂村字川北入口
同字達布21,468.00 10.91 164.00 3.0 21,632.00 地方費道札幌、稚内線
11,896.00小平蘂村町村道
川北線一六四 茂尻、砂川線 空知郡赤平町茂尻
空知郡砂川町22,465.90 赤平町字茂尻
赤平、歌志内町界4,115.00 10.91 4,115.00 札幌、根室線
10.90
国道二十七号線
720.00
[注4]赤平町町村道
歌志内、赤平線同
歌志内町元標2,956.90 10.91 2,956.90 歌志内町村道
同同
歌志内町字大曲6,530.00 9.01
12.75188.20 4.0
5.56,718.20 旧準地方費道
岩見沢、歌志内線同
歌志内、砂川町界849.00 10.91 18.00 3.5 867.00 歌志内町村道
上砂川、歌志内線同
砂川町字上砂川1,149.00 10.91 18.00 3.0 1,167.00 砂川町町村道
文殊道路同
砂川町国道接合点5,850.40 10.91
14.5060.5 5.0 5,910.90 同
一号線道路計 21,450.30 284.70 21,735.00 [注5] 一六五 美唄炭山美唄停車場線 空知郡美唄町常盤台
美唄町美唄駅14,616.00 美唄町常盤台
美唄町国道二十七号線接合14,106.60 10.91
18.18193.40 4.0 14,300.00 国道二十七号線
225.00
準地方費道北村美唄停車場線
81.00美唄町町村道
美唄、美唄炭山線計 14,106.60 193.40 14,300.00 306.00 一六六 万字炭山岩見沢停車場線 空知郡栗沢村万字炭山
岩見沢市岩見沢停車場32,406.00 栗沢村万字炭山
栗沢岩見沢市村界10,234.90 15.45 95.10 3.0
4.010,330.00 国道二十八号線
6,676.00
準地方費道厚田岩見沢停車場線
30.00栗沢村町村道
万字炭山線同
岩見沢市上志文14,157.03 15.45 67.40 2.33
3.1514,224.43 岩見沢市道
万字道路岩見沢市七条十丁目
同一条十丁目663.19 18.18 663.19 同
西十丁目道路岩見沢市一条十丁目
同一条五丁目382.38 18.18 482.38 一条道路 計 25,537.50 162.50 25,700.00 6,706.00 一六七 輪厚、栗山線 札幌郡広島村字輪厚
夕張郡角田村字栗山33,225.72 広島村字輪厚
同字中ノ沢8,184.30 18.18 37.70 4.0
4.58,222.00 地方費道札幌、浦河線
13.45
準地方費道恵庭、江別線
1,630.00
同江別長沼線
2,255.00
同岩見沢、長沼線
4,655.00
国道二十八号線
7.27広島村町村道
中ノ沢、輪厚線同字裏ノ沢
広島、幌向村界1,620.00 18.18 1,620.00 同
裏ノ沢、幌向線同
幌向村南十五線西二号9,559.00 14.55 117.00 3.0
4.59,676.00 幌向村町村道
南十五線道路同
幌向、長沼村界1,188.00 10.91 24.00 3.0
3.51,212.00 同
西二号道路同
長沼村東二線北十四号2,797.50 10.91 2.5 3.0 2,800.00 長沼村町村道
北十四号道路計 23,348.80 181.20 23,530.00 9,695.72 一六八 旭川、松山線 旭川市四条七丁目
上川郡東川村松山温泉43,878.00 東旭川村字追分
東川村忠別原野四号11,562.75 14.54
27.2724.72 3.0 11,587.45 地方費道旭川、根室線
1,431.00
準地方費道旭川当麻線
1,296.00
[注6]旧準地方費道
旭川、東川線同
東川、東神楽村界8,022.00 14.54 21.00 4.0 8,042.00 東川村町村道
東川街道同
東神楽、美瑛町村界4,838.50 10.91
14.54106.50 3.5
5.04,945.00 東神楽村町村道
志比内基線道路同
美瑛、東川町村界15,050.73 10.91
11.0026.16 3.0
4.015,076.89 美瑛町町村道
志比内道路同
東川、美瑛町村界785.00 14.54
25.0030.00 5.0 815.00 東川村町村道
上志比内、松山間道路同
美瑛町松山温泉645.66 14.54
25.0039.00 5.0 684.66 美瑛町町村道
同計 40,903.62 247.38 41,151.00 2,727.00 一六九 当麻、比布線 上川郡当麻村元標
同比布村元標5,173.25 当麻村元標
同二十丁目地方費道旭川、根室線接合点1,528.00 15.45 1,528.00 準地方費道旭川当麻線
10.90
地方費道旭川、稚内線
1,116.35
[注8]当麻村町村道
二十丁目道路同二十三丁目地方費道旭川、根室線分岐
当麻、比布村界
[注7]1,097.00 15.45 15.50 3.0
4.01,112.50 同
比布、当麻間道路
[注9]同
比布村七号、地方費道旭川、稚内線接合1,271.00 15.45 134.50 3.0
4.01,405.50 比布村町村道
同計 3,896.00 150.00 4,046.00 1,127.25 一七〇 上渚滑、丸瀬布線 紋別郡上渚滑村元標
同丸瀬布村元標42,983.00 上渚滑村元標
上渚滑、丸瀬布村界25,194.00 10.91 210.00 3.0
4.025,404.00 準地方費道網走滝ノ上線
9.00
地方費道旭川、根室線
641.00上渚滑村町村道
立牛原野道路同
丸瀬布村地方費道接合点16,712.00 10.91
25.50217.00 3.0
4.016,929.00 丸瀬布村町村道
立牛、丸瀬布間道路計 41,906.00 427.00 42,333.00 650.00 一七一 二股、留辺蘂停車場線 常呂郡留辺蘂町字二股
同留辺蘂停車場33,740.00 留辺蘂町字二股
留辺蘂町準地方費道網走、生田原接合点31,976.00 10.91
30.00256.00 4.0 32,232.00 準地方費道網走、生田原線
1,430.00留辺蘂町町村道
武萃原野道路留辺蘂町地方費道旭川、根室線分岐
同留辺蘂停車場78.00 14.54 78.00 同
留辺蘂停車場道路計 32,054.00 256.00 32,310.00 1,430.00 一七二 斜里、美幌線 斜里郡斜里町元標
網走郡美幌町元標64,115.66 斜里町川湯斜里線分岐点
斜里、上斜里町村界8,922.25 14.54 3.0 8,922.29 地方費道旭川、根室線
2,942.00
準地方費道川湯斜里線
3,709.00
地方費道美幌、弟子屈線
5,066.32
網走、釧路港線
759.34 [注4]斜里町町村道
九号道路同
上斜里、小清水村界4,360.52 14.54 11.00 3.0 4,371.52 上斜里村町村道
同同
小清水村元標2,789.19 14.54 13.00 3.0 2,802.19 小清水村町村道
同同
美幌町美幌原野東五号35,452.68 10.91
14.5490.32 3.0
4.035,543.00 旧準地方費道
小清水、美幌線計 51,524.68 114.32 51,639.00 12,476.66 一七三 宇登呂港斜里停車場線 斜里郡斜里町ウトロ港
同斜里停車場49,028.00 斜里町ウトロ港
同東七線三号37,867.00 9.09
27.2760.00 3.0
4.037,927.00 地方費道旭川、根室線
3,405.00斜里町町村道
ウトロ道路同
同東五線三号7,594.00 14.54 42.00 3.0
4.07,636.00 同
三号道路同地方費道旭川根室線分岐点
同斜里停車場60.00 18.00 60.00 同
斜里停車場道路計 51,524.68 102.00 51,639.00 12,476.66 一七四 川湯、弟子屈線 川上郡弟子屈町字川湯
同元標 [注10]22,856.00 弟子屈町川湯
同川湯停車場 [注10]3,151.76 14.54 3,151.76 地方費道網走、釧路港線
1,820.00旧地方費道
川湯、川湯停車場線同跡佐登
同元標17,884.24 14.54 17,884.24 弟子屈町町村道
弟子屈、跡佐登間摩周湖廻道路 [注10]21,036.00 21,036.00 1,820.00 一七五 釧路、弟子屈線 釧路市元標
川上郡弟子屈町元標 [注10]73,271.42 釧路市北大通八丁目
鳥取村元標3,675.73 14.54 190.00 3.0
5.03,865.73 地方費道札幌、根室線
521.92
釧路停車場線
206.04 [注4]旧準地方費道
釧路、鳥取線道路同
鶴居村元標30,172.69 10.91
20.00137.99 3.0
5.030,310.68 同
釧路、鶴居線同
鶴居村、標茶村界16,370.15 10.91
14.543.90 3.0 16,374.05 鶴居村町村道
鶴居、久著路間道路同
標茶、弟子屈町界 [注10]18,070.60 14.54 16.40 2.70 18,087.00 標茶村町村道
久著路、オソベツ間道路同
弟子屈町元標 [注10]3,854.50 14.54 51.50 3.5 3,906.00 弟子屈町町村道
弟子屈、オソベツ間道路 [注10]計 72,143.67 399.79 72,543.46 727.96 一七六 池田、大津線 中川郡池田町元標
大津村元標37,980.00
[注11]池田町駅前
池田、豊頃町村界5,751.50 10.91 48.00 3.0 5,799.50 準地方費道池田停車場線
922.00
同釧路足寄線
3,638.00
地方費道札幌根室線
19,077.00池田町町村道
十沸原野道路同
豊頃、浦幌村界16,800.00 10.91 31.50 3.0 16,831.50 豊頃村町村道
十沸、新吉野間道路同
浦幌村準地方費道釧路、足寄線接合点1,701.00 10.91 10.00 3.0 1,711.00 浦幌村町村道
豊頃街道計 24,252.50 89.50 24,342.00 23,637.00
(筆者注)
- 注4
- 原文ママ。道路の種別が書かれていません。札幌留萌線は準地方費道、札幌根室線、網走釧路港線、釧路停車場線は地方費道です。
- 注5
- 「他の道路に属する区間延長」の合計が空欄となっています。「730.90」と記載するべきでしょう。
- 注6
- 原文では「札幌、根室線」の誤記。重用区間は旭川市内にあり、札幌根室線は旭川を経由しません。
- 注7
- 原文では「同二十三目」の誤記。
- 注8
- 当麻村二十丁目~二十三丁目で地方費道旭川根室線に重用していますが、重用区間の延長が書かれていません。そのため、実際の路線延長は書かれている数値より長いと思われます。
- 注9
- 原文では「北布、当麻間道路」の誤記。
- 注10
- 原文では「弟子屈村」の誤記。告示前の昭和22(1947)年7月1日に町制施行済みです。
- 注11
- 原文ママ。表中の数字を使って算出すると路線延長は「47,979.00(m)」となるため一致しません。しかし、池田から豊頃および新吉野を経由して大津へ至るルートはおおよそ38kmとなるため、「他の道路に属する区間延長」の数値が誤っていると考えられます。特に、地方費道札幌根室線との重用区間は旅来~大津間の約9kmのはずなのでここで10km余分に加算していると考えるのがもっともらしいでしょう。
- 原文は縦書きで、数字は全て漢数字です。また、延長および幅員の数値に単位の表記はなく、桁区切りと小数点の両方に読点(、)が使われています。
本ページでは延長および幅員の数値部分を算用数字に改め、桁区切りはカンマ(,)、小数点はピリオド(.)でそれぞれ置き換えました。また、これらの数値の単位はすべてメートル(m)です。
北海道告示第九百十一号
北海道地方費道川湯、川湯停車場線の路線認定はこれを廃止する。
昭和二十二年八月二十五日
北海道知事田中敏文
(筆者注)
- この日認定された川湯弟子屈線と重複するため廃止されました。旧道路法下で認定された地方費道58路線のうち、55号川湯川湯停車場線のみが現行道路法下に引き継がれることなく廃止されました。
修正対象の旧字体一覧
上記告示中で修正対象とした旧字体と、修正後の新字体との対応をまとめた表です。
PDFで見る(新規タブ)
ただし、「神」や「麻」などこちらの環境で再現できなかった文字はこの表に含まれていません。
各路線の詳細
※注意:この節には筆者の推測をもとに書かれている部分があります。ご了承ください。
「現行路線」は、現行の国道及び道道のうち当時のルート上に存在するもの(路線番号は現行のもの)を、「廃止後引継路線」は廃止された地方費道及び準地方費道の後を引き継ぐ形で認定された路線(そのうち廃止と同時に認定された路線は太字、路線番号はいずれも認定当初のもの)を掲載します。
準地方費道162号 増毛港妹背牛停車場線
- 現行路線:(r301の一部、町道、R231の一部)、r94の一部、r280
- 廃止後引継路線:r224増毛妹背牛線、r227妹背牛停車場線
増毛港を起点とし、増毛町中心部から準地方費道2号札幌留萌線(おおむね現在のR231に相当)に重複し、増毛町信砂で分岐、現在のr94のルートで妹背牛村(現:妹背牛町)に向かい、妹背牛駅を終点とする路線でした。準地方費道102号沼田妹背牛停車場線の実延長区間を引き継いでいます。
実延長区間がr224増毛妹背牛線およびr227妹背牛停車場線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。道道増毛妹背牛線は後に主要地方道のr893(現: r94)増毛稲田線へ再編されました。
準地方費道163号 留萌達布線
- 現行路線:(R232の一部)、r126の一部
- 廃止後引継路線:r103川上留萌線の一部
小平蘂村(現: 小平町)中心部で地方費道4号札幌稚内線から分岐し、現在のr126のルートで小平蘂川右岸を遡り達布に至る路線でした。前述の通り炭鉱へのアクセスを意識した路線認定と考えられます。
実延長区間がr103川上留萌線に引き継がれ、昭和29年3月30日に廃止されました。達布よりさらに上流に至る路線です。
準地方費道164号 茂尻砂川線
- 現行路線:r114の一部、r115の一部
- 廃止後引継路線:r23赤平砂川線
赤平町(現: 赤平市)茂尻から歌志内町(現: 歌志内市)道路元標までの区間と歌志内町大曲(現在の文珠)から砂川町までの区間は町村道からの昇格でしたが、歌志内町道路元標から歌志内町大曲までの区間は準地方費道41号岩見沢歌志内線から引き継ぎました。
区間はそのままにr23赤平砂川線引き継がれ、昭和29年3月30日に廃止されました。昭和29(1954)年~昭和57(1982)年の間主要地方道に指定されていましたが、主要地方道の再編により茂尻~上砂川はr1011赤平奈井江線(現r114)の一部に、上砂川~砂川はr1012芦別砂川線(現r115)の一部になりました。
準地方費道165号 美唄炭山美唄停車場線
- 現行路線:r135の一部、(r1131の一部)
- 廃止後引継路線:r219美唄炭山線
美唄町(現: 美唄市)東部にあった美唄炭鉱を起点とし、現在のr135のルートで国道27号(現: R12)に至り、国道及び準地方費道に重複して美唄駅前へと至る路線でした。
実延長区間がr219美唄炭山線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。昭和34(1959)年発行の『北海道道路粁程表』では常盤台~国道が10.5kmとされていますが、準地方費道時代は同区間が14.1kmとされているため、道道へ引き継がれた際に起点側が短縮されたと考えられます。
準地方費道166号 万字炭山岩見沢停車場線
- 現行路線:r38の一部、(R234の一部、r687の一部)
- 廃止後引継路線:r169夕張岩見沢線の一部
栗沢村(現:岩見沢市栗沢町)万字の万字炭鉱を起点とし、現在のr38のルートで岩見沢市へ至り、現在のR234・r687のルートを経由し1条通で岩見沢駅前へ至る路線でした。国道28号との重複区間は、延長が6,676mとされていることから、現在の旧渡船場バス停付近(r30とr38の交点のうち西側のもの、参考: 地理院地図)から7条10丁目までであると考えられます。しかし、国道28号のうち茂世丑・上志文を通るルートは認定当初の古いルートで、昭和6(1931)年には現在のR234のルートに切り替えられていたはずなので、誤記の可能性があります。
昭和32年3月30日にr169夕張岩見沢線が認定され、同年7月25日に廃止されました。
準地方費道167号 輪厚栗山線
- 現行路線:北広島市道、r1080の一部
- 廃止後引継路線:r209輪厚栗山線
広島村(現:北広島市)輪厚を起点とし、現在の市道を経由して中ノ沢川沿いへ至り、そこからは現在のr1080のルートで栗山へ至る路線でした。
路線名と区間をそのままにr209輪厚栗山線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。道道輪厚栗山線は昭和46(1971)年に大曲栗山線に変更され、後に幾度かの再編(昭和63(1988)年のr1079札幌広島環状線認定に伴いr1080栗山広島線となり区間短縮、平成6(1994)年に主要地方道再編に伴って再び大曲まで延長)を経て現在のr1080栗山北広島線となっています。
準地方費道168号 旭川松山線
- 現行路線:r1160の一部、r213の一部
- 廃止後引継路線:r78旭川大雪山層雲峡線の一部、r79松山美瑛線の一部
旭川市から東川村(現; 東川町)中心部を経て松山温泉(天人峡温泉)へ至る路線でした。当時すでに「天人峡温泉」という呼称が使われていたようですが、地区名としてはまだ「松山温泉」が使われていたようで、道道に引き継がれてから45年経ってようやく路線名に「天人峡」が使われるようになりました(参考:道道資料北海道)。
実延長区間がr78旭川大雪山層雲峡線およびr79松山美瑛線に引き継がれ、昭和29年3月30日に廃止されました。
準地方費道169号 当麻比布線
- 現行路線:r1122の一部、(r390の一部)
- 廃止後引継路線:r246比布当麻東川線の一部
当麻村(現: 当麻町)の道路元標から現在のr1122およびr390のルートで比布村(現: 比布町)の道路元標へ向かう路線でした。
実延長区間がr246比布当麻東川線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。
準地方費道170号 上渚滑丸瀬布線
- 現行路線:r306
- 廃止後引継路線:r267丸瀬布上渚滑線
上渚滑村(現: 紋別市上渚滑町)の道路元標から現在のr306のルートで丸瀬布村(現: 遠軽町丸瀬布)の道路元標へ至る路線でした。
区間はそのままに起終点を入れ替えてr267丸瀬布上渚滑線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。
準地方費道171号 二股留辺蘂停車場線
- 現行路線:R39の一部、r307
- 廃止後引継路線:r2留辺蘂上川線、r268留辺蘂停車場線
留辺蘂村二股(現: 北見市留辺蘂町富士見)にあったイトムカ鉱山付近を起点とし、現在のR39およびr307のルートで留辺蘂駅前へと至る路線でした。イトムカ鉱山は前述のとおり自然水銀を産出した鉱山で、閉山後も水銀含有廃棄物の処理・リサイクルを行っています。
大半の区間は昭和29年3月1日認定のr2留辺蘂上川線へ引き継がれ、留辺蘂駅前の区間がr268留辺蘂停車場線に引き継がれた昭和32年7月25日に廃止されました。石北峠を含む道道留辺蘂上川線は、道路開通後にR39へ昇格しました。
準地方費道172号 斜里美幌線
- 現行路線:R334の一部
- 廃止後引継路線:r269美幌斜里線
斜里町道路元標からおおよそ現在のR334のルートで美幌町道路元標に至る路線でした。準地方費道141号小清水美幌線を延伸した路線といえます。
区間はそのままに起終点を入れ替えてr269美幌斜里線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。道道美幌斜里線は昭和39(1964)年に主要地方道へ昇格し、平成5(1993)年にはR334の延伸区間へ昇格しました。
準地方費道173号 宇登呂港斜里停車場線
- 現行路線:R334の一部、r92
- 廃止後引継路線:r270宇登呂斜里線
斜里町北東部の宇登呂漁港を起点とし、現在のR334およびr92のルートで斜里駅(現:知床斜里駅)へ至る路線でした。
ほぼそのままの形でr270宇登呂斜里線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。その後主要地方道に指定されるなどの改廃を経て、現在では大半の区間が国道となりました。
準地方費道174号 川湯弟子屈線
- 現行路線:r52の一部
- 廃止後引継路線:r278屈斜路摩周湖畔線の一部
弟子屈町川湯を起点とし、現在のr52のルートで摩周湖畔を経由して弟子屈町の道路元標へ至る路線でした。起点付近は地方費道55号川湯川湯停車場線から引き継いでおり、地方費道から準地方費道へ降格した珍しい例となっています。
実延長区間がr278屈斜路摩周湖畔線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。
準地方費道175号 釧路弟子屈線
- 現行路線:r53
- 廃止後引継路線:r284弟子屈鶴居釧路線
釧路市の道路元標から現在のr53のルートで弟子屈町の道路元標へ向かう路線でした。準地方費道78号釧路鳥取線と準地方費道132号釧路鶴居線を引き継いで延長した路線といえます。
区間はそのままに起終点を入れ替えてr284弟子屈鶴居釧路線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。昭和46(1971)年に主要地方道に昇格し、再び起終点を入れ替えて釧路鶴居弟子屈線となりました。
準地方費道176号 池田大津線
- 現行路線:r73の一部、(R38の一部)、R336の一部、r911
- 廃止後引継路線:r297池田浦幌線、r299浦幌大樹線の一部
池田町の道路元標から現在のr73、R38のルートで浦幌村(現: 浦幌町)新吉野へ至り、そこから十勝川を渡って大津村(現: 豊頃町大津)の道路元標へ至る路線でした。昭和25年3月14日に札幌根室線のルートが変更されたため、新吉野~旅来間の準地方費道釧路足寄線との重複区間は後に単独区間になったと考えられます。
全線がr297池田浦幌線およびr299浦幌大樹線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。
告示出典
- 昭和22年8月25日北海道告示第908~911号: 昭和22年8月25日付『北海道公報』号外pp.1-6