昭和22年8月25日

この日の告示について

戦後では初めて準地方費道の認定が行われました。この日は15本の準地方費道が認定され、同時に1本の地方費道と6本の準地方費道が廃止されました。なお、現行道路法施行前に廃止された地方費道はこの日の川湯川湯停車場線のみです。

余談となりますが、地方費道・準地方費道の認定・廃止に係る告示としては、昭和22(1947)年5月3日に地方自治法の施行により地方公共団体としての北海道が発足して以降初めてのものでもあります。以前の告示と比較すると、「北海道庁告示」が「北海道告示」に、「北海道庁長官」が「北海道知事」にそれぞれ変更されています。


告示の条文

以下に告示の全文および表を掲載します。原文は縦書きで、整理番号は漢数字です。なお、表中の旧字体は新字体に修正しました(修正を施した旧字体と新字体の対応表は告示の後に掲載します)。

北海道告示第九百八号

北海道準地方費道の路線を次のように認定する。

昭和二十二年八月二十五日

北海道知事田中敏文

番号路線名起点名終点名重要なる経過地
一六二増毛港妹背牛停車場線増毛郡増毛町増毛港雨竜郡妹背牛村妹背牛停車場 [注1]増毛町信砂、北竜村
一六三留萌達布線留萌郡留萌町元標留萌郡小平蘂村字達布
一六四茂尻砂川線空知郡赤平町字茂尻空知郡砂川町歌志内町、砂川町上砂川
一六五美唄炭山美唄停車場線空知郡美唄町字常盤台空知郡美唄町美唄停車場美唄町我路
一六六万字炭山岩見沢停車場線空知郡栗沢村万字炭山岩見沢市岩見沢停車場栗沢村美流渡、岩見沢市志文 [注2]
一六七輪厚栗山線札幌郡広島村字輪厚夕張郡角田村字栗山広島村、幌向村、長沼村
一六八旭川松山線旭川市元標上川郡東川村松山温泉東旭川村、東川村、東神楽村、美瑛町
一六九当麻比布線上川郡当麻村元標上川郡比布村元標
一七〇上渚滑丸瀬布線紋別郡上渚滑村元標紋別郡丸瀬布村元標立牛
一七一二股留辺蘂停車場線常呂郡留辺蘂町字二股常呂郡留辺蘂町留辺蘂停車場温根湯温泉
一七二斜里美幌線斜里郡斜里町元標網走郡美幌町元標上斜里村、小清水村、網走町、女満別村
一七三宇登呂港斜里停車場線斜里郡斜里町字宇登呂港斜里郡斜里町斜里停車場
一七四川湯弟子屈線川上郡弟子屈町字川湯 [注3]川上郡弟子屈町元標 [注3]摩周湖
一七五釧路弟子屈線釧路市元標川上郡弟子屈町元標 [注3]鳥取町、鶴居村、標茶村
一七六池田大津線中川郡池田町元標大津村元標豊頃村、浦幌村

(筆者注)

注1
原文では「妹背停車場」の誤記。
注2
原文では「美流度」の誤記。
注3
原文では「弟子屈村」の誤記。告示前の昭和22年7月1日に町制施行済みです。
  • 鉱山に関連する路線が多く見受けられます。それぞれ、留萌達布線は達布炭鉱(天塩炭鉱)、茂尻砂川線は茂尻炭鉱および歌志内町内の各炭鉱、美唄炭山美唄停車場線は美唄炭鉱、万字炭山岩見沢停車場線は万字炭鉱、二股留辺蘂停車場線はイトムカ鉱山(主要鉱石は自然水銀)へのアクセスを意識した路線認定と考えられます。

北海道告示第九百九号

次の北海道準地方費道の路線の認定はこれを廃止する。

昭和二十二年八月二十五日

北海道知事田中敏文

番号路線名
四一岩見沢歌志内線
四七旭川東川線
七八釧路鳥取線
一〇二沼田妹背牛停車場線
一三二釧路鶴居線
一四一小清水美幌線

(筆者注)

  • 岩見沢歌志内線以外の路線は、この日認定された路線と重複するため廃止されました。旭川東川線は旭川松山線に、釧路鳥取線と釧路鶴居線は釧路弟子屈線に、沼田妹背牛停車場線は増毛港妹背牛停車場線に、小清水美幌線は斜里美幌線にそれぞれ引き継がれました。
  • 岩見沢歌志内線の砂川町~歌志内町文珠間は茂尻砂川線に引き継がれませんでしたが、上砂川経由のルートが準地方費道になったことが影響したのか、この日に廃止されています。

北海道告示第九百十号

北海道準地方費道増毛港妹背牛停車場線外十四線の道路及び其の附属物の区域を左の通り定め供用を開始する。

昭和二十二年八月二十五日

道路管理者

北海道知事田中敏文

認定路線番号路線名認定路線起点
終点
路線延長道路及附属物 区域延長計他の道路に属する区間延長認定前
路線名
起点箇所名道路橋梁渡船
終点箇所名延長幅員延長幅員延長
一六二増毛、妹背牛停車場線増毛郡増毛町増毛港
雨竜郡妹背牛村妹背牛停車場
64,144.87増毛町信砂
増毛、北竜町村界
26,671.8010.91
21.81
94.203.026,766.00準地方費道増毛港線
752,54

札幌留萌線
6,852.00
[注4]
増毛町町村道
信砂、恵岱別線

北竜村字和
20,538.1010.91161.903.0
4.0
20,700.00北竜村町村道
和、増毛線

妹背牛村妹背牛駅
8,903.277.27
21.81
161.063.0
4.0
9,064.33旧準地方費道
沼田、妹背牛停車場線
56,112.17417.1656,530.337,614.54
一六三留萌達布線留萌郡留萌町元標
小平蘂村字達布
33,528.00小平蘂村字川北入口
同字達布
21,468.0010.91164.003.021,632.00地方費道札幌、稚内線
11,896.00
小平蘂村町村道
川北線
一六四茂尻、砂川線空知郡赤平町茂尻
空知郡砂川町
22,465.90赤平町字茂尻
赤平、歌志内町界
4,115.0010.914,115.00札幌、根室線
10.90

国道二十七号線
720.00
[注4]
赤平町町村道
歌志内、赤平線

歌志内町元標
2,956.9010.912,956.90歌志内町村道

歌志内町字大曲
6,530.009.01
12.75
188.204.0
5.5
6,718.20旧準地方費道
岩見沢、歌志内線

歌志内、砂川町界
849.0010.9118.003.5867.00歌志内町村道
上砂川、歌志内線

砂川町字上砂川
1,149.0010.9118.003.01,167.00砂川町町村道
文殊道路

砂川町国道接合点
5,850.4010.91
14.50
60.55.05,910.90
一号線道路
21,450.30284.7021,735.00[注5]
一六五美唄炭山美唄停車場線空知郡美唄町常盤台
美唄町美唄駅
14,616.00美唄町常盤台
美唄町国道二十七号線接合
14,106.6010.91
18.18
193.404.014,300.00国道二十七号線
225.00

準地方費道北村美唄停車場線
81.00
美唄町町村道
美唄、美唄炭山線
14,106.60193.4014,300.00306.00
一六六万字炭山岩見沢停車場線空知郡栗沢村万字炭山
岩見沢市岩見沢停車場
32,406.00栗沢村万字炭山
栗沢岩見沢市村界
10,234.9015.4595.103.0
4.0
10,330.00国道二十八号線
6,676.00

準地方費道厚田岩見沢停車場線
30.00
栗沢村町村道
万字炭山線

岩見沢市上志文
14,157.0315.4567.402.33
3.15
14,224.43岩見沢市道
万字道路
岩見沢市七条十丁目
同一条十丁目
663.1918.18663.19
西十丁目道路
岩見沢市一条十丁目
同一条五丁目
382.3818.18482.38一条道路
25,537.50162.5025,700.006,706.00
一六七輪厚、栗山線札幌郡広島村字輪厚
夕張郡角田村字栗山
33,225.72広島村字輪厚
同字中ノ沢
8,184.3018.1837.704.0
4.5
8,222.00地方費道札幌、浦河線
13.45

準地方費道恵庭、江別線
1,630.00

同江別長沼線
2,255.00

同岩見沢、長沼線
4,655.00

国道二十八号線
7.27
広島村町村道
中ノ沢、輪厚線
同字裏ノ沢
広島、幌向村界
1,620.0018.181,620.00
裏ノ沢、幌向線

幌向村南十五線西二号
9,559.0014.55117.003.0
4.5
9,676.00幌向村町村道
南十五線道路

幌向、長沼村界
1,188.0010.9124.003.0
3.5
1,212.00
西二号道路

長沼村東二線北十四号
2,797.5010.912.53.02,800.00長沼村町村道
北十四号道路
23,348.80181.2023,530.009,695.72
一六八旭川、松山線旭川市四条七丁目
上川郡東川村松山温泉
43,878.00東旭川村字追分
東川村忠別原野四号
11,562.7514.54
27.27
24.723.011,587.45地方費道旭川、根室線
1,431.00

準地方費道旭川当麻線
1,296.00
[注6]
旧準地方費道
旭川、東川線

東川、東神楽村界
8,022.0014.5421.004.08,042.00東川村町村道
東川街道

東神楽、美瑛町村界
4,838.5010.91
14.54
106.503.5
5.0
4,945.00東神楽村町村道
志比内基線道路

美瑛、東川町村界
15,050.7310.91
11.00
26.163.0
4.0
15,076.89美瑛町町村道
志比内道路

東川、美瑛町村界
785.0014.54
25.00
30.005.0815.00東川村町村道
上志比内、松山間道路

美瑛町松山温泉
645.6614.54
25.00
39.005.0684.66美瑛町町村道
40,903.62247.3841,151.002,727.00
一六九当麻、比布線上川郡当麻村元標
同比布村元標
5,173.25当麻村元標
同二十丁目地方費道旭川、根室線接合点
1,528.0015.451,528.00準地方費道旭川当麻線
10.90

地方費道旭川、稚内線
1,116.35
[注8]
当麻村町村道
二十丁目道路
同二十三丁目地方費道旭川、根室線分岐
当麻、比布村界
[注7]
1,097.0015.4515.503.0
4.0
1,112.50
比布、当麻間道路
[注9]

比布村七号、地方費道旭川、稚内線接合
1,271.0015.45134.503.0
4.0
1,405.50比布村町村道
3,896.00150.004,046.001,127.25
一七〇上渚滑、丸瀬布線紋別郡上渚滑村元標
同丸瀬布村元標
42,983.00上渚滑村元標
上渚滑、丸瀬布村界
25,194.0010.91210.003.0
4.0
25,404.00準地方費道網走滝ノ上線
9.00

地方費道旭川、根室線
641.00
上渚滑村町村道
立牛原野道路

丸瀬布村地方費道接合点
16,712.0010.91
25.50
217.003.0
4.0
16,929.00丸瀬布村町村道
立牛、丸瀬布間道路
41,906.00427.0042,333.00650.00
一七一二股、留辺蘂停車場線常呂郡留辺蘂町字二股
同留辺蘂停車場
33,740.00留辺蘂町字二股
留辺蘂町準地方費道網走、生田原接合点
31,976.0010.91
30.00
256.004.032,232.00準地方費道網走、生田原線
1,430.00
留辺蘂町町村道
武萃原野道路
留辺蘂町地方費道旭川、根室線分岐
同留辺蘂停車場
78.0014.5478.00
留辺蘂停車場道路
32,054.00256.0032,310.001,430.00
一七二斜里、美幌線斜里郡斜里町元標
網走郡美幌町元標
64,115.66斜里町川湯斜里線分岐点
斜里、上斜里町村界
8,922.2514.543.08,922.29地方費道旭川、根室線
2,942.00

準地方費道川湯斜里線
3,709.00

地方費道美幌、弟子屈線
5,066.32

網走、釧路港線
759.34 [注4]
斜里町町村道
九号道路

上斜里、小清水村界
4,360.5214.5411.003.04,371.52上斜里村町村道

小清水村元標
2,789.1914.5413.003.02,802.19小清水村町村道

美幌町美幌原野東五号
35,452.6810.91
14.54
90.323.0
4.0
35,543.00旧準地方費道
小清水、美幌線
51,524.68114.3251,639.0012,476.66
一七三宇登呂港斜里停車場線斜里郡斜里町ウトロ港
同斜里停車場
49,028.00斜里町ウトロ港
同東七線三号
37,867.009.09
27.27
60.003.0
4.0
37,927.00地方費道旭川、根室線
3,405.00
斜里町町村道
ウトロ道路

同東五線三号
7,594.0014.5442.003.0
4.0
7,636.00
三号道路
同地方費道旭川根室線分岐点
同斜里停車場
60.0018.0060.00
斜里停車場道路
51,524.68102.0051,639.0012,476.66
一七四川湯、弟子屈線川上郡弟子屈町字川湯
同元標 [注10]
22,856.00弟子屈町川湯
同川湯停車場 [注10]
3,151.7614.543,151.76地方費道網走、釧路港線
1,820.00
旧地方費道
川湯、川湯停車場線
同跡佐登
同元標
17,884.2414.5417,884.24弟子屈町町村道
弟子屈、跡佐登間摩周湖廻道路 [注10]
21,036.0021,036.001,820.00
一七五釧路、弟子屈線釧路市元標
川上郡弟子屈町元標 [注10]
73,271.42釧路市北大通八丁目
鳥取村元標
3,675.7314.54190.003.0
5.0
3,865.73地方費道札幌、根室線
521.92

釧路停車場線
206.04 [注4]
旧準地方費道
釧路、鳥取線道路

鶴居村元標
30,172.6910.91
20.00
137.993.0
5.0
30,310.68
釧路、鶴居線

鶴居村、標茶村界
16,370.1510.91
14.54
3.903.016,374.05鶴居村町村道
鶴居、久著路間道路

標茶、弟子屈町[注10]
18,070.6014.5416.402.7018,087.00標茶村町村道
久著路、オソベツ間道路

弟子屈町元標 [注10]
3,854.5014.5451.503.53,906.00弟子屈町町村道
弟子屈、オソベツ間道路 [注10]
72,143.67399.7972,543.46727.96
一七六池田、大津線中川郡池田町元標
大津村元標
37,980.00
[注11]
池田町駅前
池田、豊頃町村界
5,751.5010.9148.003.05,799.50準地方費道池田停車場線
922.00

同釧路足寄線
3,638.00

地方費道札幌根室線
19,077.00
池田町町村道
十沸原野道路

豊頃、浦幌村界
16,800.0010.9131.503.016,831.50豊頃村町村道
十沸、新吉野間道路

浦幌村準地方費道釧路、足寄線接合点
1,701.0010.9110.003.01,711.00浦幌村町村道
豊頃街道
24,252.5089.5024,342.0023,637.00

(筆者注)

注4
原文ママ。道路の種別が書かれていません。札幌留萌線は準地方費道、札幌根室線、網走釧路港線、釧路停車場線は地方費道です。
注5
「他の道路に属する区間延長」の合計が空欄となっています。「730.90」と記載するべきでしょう。
注6
原文では「札幌、根室線」の誤記。重用区間は旭川市内にあり、札幌根室線は旭川を経由しません。
注7
原文では「同二十三目」の誤記。
注8
当麻村二十丁目~二十三丁目で地方費道旭川根室線に重用していますが、重用区間の延長が書かれていません。そのため、実際の路線延長は書かれている数値より長いと思われます。
注9
原文では「北布、当麻間道路」の誤記。
注10
原文では「弟子屈村」の誤記。告示前の昭和22(1947)年7月1日に町制施行済みです。
注11
原文ママ。表中の数字を使って算出すると路線延長は「47,979.00(m)」となるため一致しません。しかし、池田から豊頃および新吉野を経由して大津へ至るルートはおおよそ38kmとなるため、「他の道路に属する区間延長」の数値が誤っていると考えられます。特に、地方費道札幌根室線との重用区間は旅来~大津間の約9kmのはずなのでここで10km余分に加算していると考えるのがもっともらしいでしょう。
  • 原文は縦書きで、数字は全て漢数字です。また、延長および幅員の数値に単位の表記はなく、桁区切りと小数点の両方に読点(、)が使われています。
    本ページでは延長および幅員の数値部分を算用数字に改め、桁区切りはカンマ(,)、小数点はピリオド(.)でそれぞれ置き換えました。また、これらの数値の単位はすべてメートル(m)です。

北海道告示第九百十一号

北海道地方費道川湯、川湯停車場線の路線認定はこれを廃止する。

昭和二十二年八月二十五日

北海道知事田中敏文

(筆者注)

  • この日認定された川湯弟子屈線と重複するため廃止されました。旧道路法下で認定された地方費道58路線のうち、55号川湯川湯停車場線のみが現行道路法下に引き継がれることなく廃止されました。

修正対象の旧字体一覧

上記告示中で修正対象とした旧字体と、修正後の新字体との対応をまとめた表です。

修正対象の旧字体一覧
PDFで見る(新規タブ)

ただし、「神」や「麻」などこちらの環境で再現できなかった文字はこの表に含まれていません。


各路線の詳細

※注意:この節には筆者の推測をもとに書かれている部分があります。ご了承ください。

「現行路線」は、現行の国道及び道道のうち当時のルート上に存在するもの(路線番号は現行のもの)を、「廃止後引継路線」は廃止された地方費道及び準地方費道の後を引き継ぐ形で認定された路線(そのうち廃止と同時に認定された路線は太字、路線番号はいずれも認定当初のもの)を掲載します。

準地方費道162号 増毛港妹背牛停車場線

増毛港を起点とし、増毛町中心部から準地方費道2号札幌留萌線(おおむね現在のR231に相当)に重複し、増毛町信砂で分岐、現在のr94のルートで妹背牛村(現:妹背牛町)に向かい、妹背牛駅を終点とする路線でした。準地方費道102号沼田妹背牛停車場線の実延長区間を引き継いでいます。

実延長区間がr224増毛妹背牛線およびr227妹背牛停車場線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。道道増毛妹背牛線は後に主要地方道のr893(現: r94)増毛稲田線へ再編されました。

準地方費道163号 留萌達布線

小平蘂村(現: 小平町)中心部で地方費道4号札幌稚内線から分岐し、現在のr126のルートで小平蘂川右岸を遡り達布に至る路線でした。前述の通り炭鉱へのアクセスを意識した路線認定と考えられます。

実延長区間がr103川上留萌線に引き継がれ、昭和29年3月30日に廃止されました。達布よりさらに上流に至る路線です。

準地方費道164号 茂尻砂川線

赤平町(現: 赤平市)茂尻から歌志内町(現: 歌志内市)道路元標までの区間と歌志内町大曲(現在の文珠)から砂川町までの区間は町村道からの昇格でしたが、歌志内町道路元標から歌志内町大曲までの区間は準地方費道41号岩見沢歌志内線から引き継ぎました。

区間はそのままにr23赤平砂川線引き継がれ、昭和29年3月30日に廃止されました。昭和29(1954)年~昭和57(1982)年の間主要地方道に指定されていましたが、主要地方道の再編により茂尻~上砂川はr1011赤平奈井江線(現r114)の一部に、上砂川~砂川はr1012芦別砂川線(現r115)の一部になりました。

準地方費道165号 美唄炭山美唄停車場線

美唄町(現: 美唄市)東部にあった美唄炭鉱を起点とし、現在のr135のルートで国道27号(現: R12)に至り、国道及び準地方費道に重複して美唄駅前へと至る路線でした。

実延長区間がr219美唄炭山線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。昭和34(1959)年発行の『北海道道路粁程表』では常盤台~国道が10.5kmとされていますが、準地方費道時代は同区間が14.1kmとされているため、道道へ引き継がれた際に起点側が短縮されたと考えられます。

準地方費道166号 万字炭山岩見沢停車場線

栗沢村(現:岩見沢市栗沢町)万字の万字炭鉱を起点とし、現在のr38のルートで岩見沢市へ至り、現在のR234・r687のルートを経由し1条通で岩見沢駅前へ至る路線でした。国道28号との重複区間は、延長が6,676mとされていることから、現在の旧渡船場バス停付近(r30とr38の交点のうち西側のもの、参考: 地理院地図)から7条10丁目までであると考えられます。しかし、国道28号のうち茂世丑・上志文を通るルートは認定当初の古いルートで、昭和6(1931)年には現在のR234のルートに切り替えられていたはずなので、誤記の可能性があります。

昭和32年3月30日にr169夕張岩見沢線が認定され、同年7月25日に廃止されました。

準地方費道167号 輪厚栗山線

広島村(現:北広島市)輪厚を起点とし、現在の市道を経由して中ノ沢川沿いへ至り、そこからは現在のr1080のルートで栗山へ至る路線でした。

路線名と区間をそのままにr209輪厚栗山線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。道道輪厚栗山線は昭和46(1971)年に大曲栗山線に変更され、後に幾度かの再編(昭和63(1988)年のr1079札幌広島環状線認定に伴いr1080栗山広島線となり区間短縮、平成6(1994)年に主要地方道再編に伴って再び大曲まで延長)を経て現在のr1080栗山北広島線となっています。

準地方費道168号 旭川松山線

旭川市から東川村(現; 東川町)中心部を経て松山温泉(天人峡温泉)へ至る路線でした。当時すでに「天人峡温泉」という呼称が使われていたようですが、地区名としてはまだ「松山温泉」が使われていたようで、道道に引き継がれてから45年経ってようやく路線名に「天人峡」が使われるようになりました(参考:道道資料北海道)。

実延長区間がr78旭川大雪山層雲峡線およびr79松山美瑛線に引き継がれ、昭和29年3月30日に廃止されました。

準地方費道169号 当麻比布線

当麻村(現: 当麻町)の道路元標から現在のr1122およびr390のルートで比布村(現: 比布町)の道路元標へ向かう路線でした。

実延長区間がr246比布当麻東川線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。

準地方費道170号 上渚滑丸瀬布線

上渚滑村(現: 紋別市上渚滑町)の道路元標から現在のr306のルートで丸瀬布村(現: 遠軽町丸瀬布)の道路元標へ至る路線でした。

区間はそのままに起終点を入れ替えてr267丸瀬布上渚滑線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。

準地方費道171号 二股留辺蘂停車場線

留辺蘂村二股(現: 北見市留辺蘂町富士見)にあったイトムカ鉱山付近を起点とし、現在のR39およびr307のルートで留辺蘂駅前へと至る路線でした。イトムカ鉱山は前述のとおり自然水銀を産出した鉱山で、閉山後も水銀含有廃棄物の処理・リサイクルを行っています。

大半の区間は昭和29年3月1日認定のr2留辺蘂上川線へ引き継がれ、留辺蘂駅前の区間がr268留辺蘂停車場線に引き継がれた昭和32年7月25日に廃止されました。石北峠を含む道道留辺蘂上川線は、道路開通後にR39へ昇格しました。

準地方費道172号 斜里美幌線

斜里町道路元標からおおよそ現在のR334のルートで美幌町道路元標に至る路線でした。準地方費道141号小清水美幌線を延伸した路線といえます。

区間はそのままに起終点を入れ替えてr269美幌斜里線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。道道美幌斜里線は昭和39(1964)年に主要地方道へ昇格し、平成5(1993)年にはR334の延伸区間へ昇格しました。

準地方費道173号 宇登呂港斜里停車場線

斜里町北東部の宇登呂漁港を起点とし、現在のR334およびr92のルートで斜里駅(現:知床斜里駅)へ至る路線でした。

ほぼそのままの形でr270宇登呂斜里線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。その後主要地方道に指定されるなどの改廃を経て、現在では大半の区間が国道となりました。

準地方費道174号 川湯弟子屈線

弟子屈町川湯を起点とし、現在のr52のルートで摩周湖畔を経由して弟子屈町の道路元標へ至る路線でした。起点付近は地方費道55号川湯川湯停車場線から引き継いでおり、地方費道から準地方費道へ降格した珍しい例となっています。

実延長区間がr278屈斜路摩周湖畔線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。

準地方費道175号 釧路弟子屈線

釧路市の道路元標から現在のr53のルートで弟子屈町の道路元標へ向かう路線でした。準地方費道78号釧路鳥取線準地方費道132号釧路鶴居線を引き継いで延長した路線といえます。

区間はそのままに起終点を入れ替えてr284弟子屈鶴居釧路線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。昭和46(1971)年に主要地方道に昇格し、再び起終点を入れ替えて釧路鶴居弟子屈線となりました。

準地方費道176号 池田大津線

池田町の道路元標から現在のr73、R38のルートで浦幌村(現: 浦幌町)新吉野へ至り、そこから十勝川を渡って大津村(現: 豊頃町大津)の道路元標へ至る路線でした。昭和25年3月14日に札幌根室線のルートが変更されたため、新吉野~旅来間の準地方費道釧路足寄線との重複区間は後に単独区間になったと考えられます。

全線がr297池田浦幌線およびr299浦幌大樹線に引き継がれ、昭和32年7月25日に廃止されました。


告示出典