函館本線の停車場線 第6部

目次

識別子整理
番号
路線名走行日延長
第1部
[A]262新函館北斗停車場線2017/7/171.4km
[B]1176新函館北斗停車場七飯線2018/8/182.8km
[C]480鹿部停車場線2018/8/171.6km
[D]794森停車場線2018/8/181.7km
第2部
[E]202八雲停車場線2018/8/190.7km
[F]525蘭越停車場線2018/9/20.6km
[G]792ニセコ停車場線2018/10/202.8km
[H]271倶知安停車場線2018/10/200.5km
[I]455仁木停車場線2018/10/200.40km
第3部
[J]1126銭函停車場線2018/8/120.7km
[K]276琴似停車場線2018/8/121.1km
[L]277琴似停車場新琴似線2018/9/85.1km
[M]326桑園停車場線2019/5/251.2km
第4部
[N]18札幌停車場線2018/9/6
2019/1/22
2023/9/28
0.5km
[O]368白石停車場線2018/4/210.7km
[P]325厚別停車場線2019/4/61.0km
[Q]370野幌停車場線2019/5/190.37km
第5部
[R]201岩見沢停車場線2018/9/232.6km
[S]1131美唄停車場線2018/9/230.08km
[T]322砂川停車場線2018/9/230.06km
[U]203滝川停車場線2018/9/230.6km
[V]323江部乙停車場線2018/9/230.46km
第6部
[W]280妹背牛停車場線2018/8/310.45km
[X]284深川停車場線2017/9/8
2019/1/14
0.23km
[Y]487近文停車場線2017/9/73.7km
[Z]20旭川停車場線2017/9/50.5km

※レポート対象路線および識別子は筆者が勝手に定めたもの。


[W] r280妹背牛停車場線

路線概要

雨竜郡妹背牛町の代表駅である妹背牛(もせうし)駅を起点とし、道道深川雨竜線交点を終点とする路線。かつては急行列車の停車駅でもあった。

種別一般道道
路線番号280
旧番号227
路線名妹背牛停車場線
起点妹背牛停車場(雨竜郡妹背牛町妹背牛)
終点道道深川雨竜線交点(雨竜郡妹背牛町妹背牛)
通過市町村雨竜郡妹背牛町のみ
認定日1957年7月25日
総延長0.448km
実延長0.435km
重用延長0.013km

※総延長等のデータはいずれも2022/4/1現在の道路現況調書による。

レポート

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江部乙駅から函館本線で7.5km、石狩川を渡った先にあるのが妹背牛駅(もせうしえき)である。雨竜郡妹背牛町の代表駅であり、かつては急行列車の停車駅でもあったが、現在は普通列車のみが停車する。2023年4月現在では8.5往復設定されているが、朝~昼にかけて3時間以上間が空く時間帯もある。

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駅前広場は舗装されているが、簡素な駐車スペースや駐輪場がある程度で閑散としている。

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起点

駅前広場に直結する道路が道道となっている。すぐに5叉路があり、道なりに右斜め前方へ曲がる。

一部の地図では写真左側に写っている道路が道道として描かれている。あちらにも道道であることを示すシールが貼られている街路灯があるのだが、こちらにも同様の街路灯があり、優先道路であり、舗装面も続いている。本レポートでは駅前広場に直結するこちらの道路を道道として扱いたい。

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交差点を過ぎるとかなり広い2車線道路となる。妹背牛町の中心部だが、交通量はほとんどない。

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道道標識の類は設置されていないが、街路灯のシールで道道であることを確認できる。

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総延長は400m台しかなく、すぐに終点が見えてくる。

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終点

r47深川雨竜線との交差点で終点となる。左折は雨竜・R275方面、右折は深川方面、直進はr94増毛稲田線で北竜・増毛方面である。右折方向にはr94も重複しており、妹背牛跨線橋を渡った先で分岐してR12方面へ向かう。

認定当初は終点が「道道深川追分線交点」とされていたが、これは停車場線の終点としては不適だった。詳しい内容は告示ページの注釈に記している。

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[X] r284深川停車場線

路線概要

深川市の代表駅である深川駅を起点とし、国道233号交点を終点とする路線。旧道路法時代の初期から同名の準地方費道路線があった。深川駅は留萌本線の起点でもあるが、すでに2026年3月末での廃止が合意されている。

種別一般道道
路線番号284
旧番号232
路線名深川停車場線
起点深川停車場(深川市1条9番)
終点国道233号交点(深川市3条9番)
通過市町村深川市のみ
認定日1957年7月25日
総延長0.231km
実延長0.217km
重用延長0.014km

※総延長等のデータはいずれも2022/4/1現在の道路現況調書による。

レポート(夏季)

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起点

妹背牛駅の次の駅が深川駅である。滝川駅の次の特急停車駅でもあり、全ての定期旅客列車が停車する。留萌本線の起点ともなっており、一部の列車は旭川へ直通している。かつては深名線(1995年廃止)の起点でもあったが、留萌本線は2026年3月末の廃止が合意されており、それ以降は函館本線のみの駅になる予定だ。

駅舎に面する南口の駅前広場は道道として管理されており、ここが起点となっている。

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駅前広場の出口で都市計画道路蓬莱町線と交差する。道道は南南東に向かって走行する。

ちなみに、深川駅にはもう一つ路線の乗り入れ計画があった。芦別駅と納内駅(深川駅の旭川方の隣駅)を結ぶ予定であった芦別線である。産炭地であった芦別から留萌港への短絡線として計画されたが、芦別市内の一部で路盤や橋梁が完成した程度で、1972年には工事が凍結され未成線となった。

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道道は都市計画道路駅前通に指定されている。電線地中化が施され広々とした2車線道路で、再開発が行われた関係ですっきりとした印象がある。

※マウスオーバー/赤枠内タップで通称名標識の写真を表示します。

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終点

実延長は217mと短く、あっという間に本町通との交差点で終点となる。R233はこの交差点で屈折しており、直進がR12・E5道央道43深川IC方面、左折が秩父別・留萌方面である。右折方向はr47深川雨竜線で、E62深川留萌道1深川西IC・妹背牛・雨竜方面となっている。

旭川方面へ向かうには左折してR233に入り、そのまま直進してr57旭川深川線を利用するのが最短ルート。

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レポート(冬季)

※本項では、路線そのものを紹介することよりも、冬の道路の姿を紹介することに主眼を置いている。

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起点

1月中旬、真冬の深川駅前の写真である。この日の深川は朝に-21.2℃まで冷え込み、撮影時でも-12℃程度の極寒であった。札幌駅前と比べれば雪の積もっている場所は多いが、「豪雪地帯」という見た目ではない。

深川市は道内で特別豪雪地帯に指定されている86市町村のうちの一つで、道内では比較的降雪が多い地域である。ただ、撮影時の積雪深は45cmで、平年値の70cmと比べればかなり少なかった。

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駅前通りを南下していく。もちろん路面は凍結しており、歩道は圧雪路面になっていた。

個人的には、凍結したり融けてぐちゃぐちゃになったりと路面状況の変化が激しい札幌の歩道よりも、ほぼ安定して圧雪路面になる深川の歩道の方が歩きやすく感じる。冬靴ならば圧雪路面は苦にならないし、大雪の際雪をかき分けて歩かねばならないのは札幌でも同じだからだ。

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歩道の車道側には雪山ができているが、2019寒候年の深川は少雪傾向だったためか比較的低く抑えられている。電線地中化が済んでいるため除排雪もしやすく、道路交通への支障はほとんどみられない。

そもそも深川の1991~2020年の平年値は実際の傾向よりも高めになっている。これは1994寒候年に年間降雪深1995cmという常軌を逸したレベルの降雪があったことに大きく影響されている。2001~2020年に関しては20年中18年で平年値以下の降雪深となっている。

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終点

終点交差点付近も路面は凍結していた。交差点手前は減速する車により路面が磨かれ、ミラーバーンと呼ばれる状態になることがある。こうなると滑走して停止できないおそれがあるため、かなり手前からゆっくり減速する必要がある(それでもABSが作動することは多い)。

切替後の写真の左手前には砂箱が写っている。凍結路面の上に滑り止めの砂を撒くことができるのだが、春になると路面清掃が必要になる。

※マウスオーバー/赤枠内タップで終点交差点の拡大写真を表示します。

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参考データとして、函館本線沿線にある16のアメダスの観測地点における1991~2020年の雪に関する平年値をグラフにまとめた。このうち、八雲~共和と岩見沢~深川の計10地点は特別豪雪地帯に位置する。
深川は年間降雪深が929cmで16地点中トップだが、最深降雪は111cmで平均とほぼ変わらない。倶知安は年間降雪深では2位ながら最深降雪が183cmと堂々の1位であり、道内屈指の豪雪地帯といえる。札幌はどちらの指標でも平均以下だが、200万に迫る人口を考えればかなり多い部類である。

※クリック/タップすると詳細な画像を表示します。

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[Y] r487近文停車場線

路線概要

旭川市の西部に位置する近文駅を起点とし、国道40号交点を終点とする路線。近文駅は旭川にあった陸軍の第7師団への引込線を建設するために開業した信号停車場がルーツで、戦後もしばらくは貨物支線の分岐駅であった。

種別一般道道
路線番号487
路線名近文停車場線
起点近文停車場(旭川市緑町20)
終点国道40号交点(旭川市旭町1条3)
通過市町村旭川市のみ
認定日1965年3月26日
総延長3.707km
実延長3.693km
重用延長0.014km

※総延長等のデータはいずれも2022/4/1現在の道路現況調書による。

レポート

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函館本線の終点である旭川駅の1つ手前にあるのが近文駅である。第7師団への引込線を建設するために開業した信号停車場がルーツで、戦後もしばらくは貨物支線の分岐駅であったが、現在では無人駅となっている。駅舎はホームから跨線橋を渡って北東側にあるが、跨線橋自体は南西側にも通じている。

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起点

駅前を横切る市道近文駅前道路線との交差点が道道の起点となっている。道道は北東に向かっており、十分な幅のある2車線道路である。

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200m程進むと、都市計画道路嵐山通に突き当たる。r487はここを右折して「旭川駅方面」に向かう。左折はr1124近文停車場緑町線で、R12旭川新道・E5道央道44旭川鷹栖IC方面に向かう。

「旭川駅」は旭川市中心部を表すための書き方で、これは札幌市内でも見られたものである。しかし、「停車場線」の行先で隣駅の名前が出てくるパターンは、これまでに紹介した函館本線の停車場線にはなかったものである。
なお、近文停車場緑町線は本シリーズでは取り上げないが、別のレポートで取り上げる予定である。

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右折後は4車線道路となり幹線道路の雰囲気が漂うが、150m程進んだところで道道は左折する。案内標識の類はないため、予習なしでは素通りしてしまうだろう。

直進すると市道旭西橋通線で、石狩川を旭西橋(きょくせいばし)で渡ってR12に接続している。近文駅と旭川駅を結ぶ最短ルートとなっている。

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左折後は2車線道路に逆戻り。都市計画道路としては近文線に指定されており、近文原野の5線道路でもある。左折後150m程でウッペツ川を豊年橋で渡る。

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全線を通して道道標識の類は設置されていないが、街路灯には道道であることを示すシールが貼られている。これは路線番号を表示しない古いタイプで、路線名を省略した「近停」の文字がみられる。

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都市計画道路錦町通との交差点は直進。道道は住宅街の中を進んでいく。

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都市計画道路旭町通との交差点で道道は右折する。嵐山通からは1.1km程で、近文原野の1号道路にあたる。ここも案内はないのでわかりにくい(反対側から来た場合は案内標識がある)。

左折すると200mあまりでR12旭川新道に接続している。

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右折後は4車線道路で、再び幹線道路となる。右折後200m程進むと、八間橋でウッペツ川を再び渡る。

ストリートビューで確認したところ、現在では自転車向けの矢羽根型路面表示もあるようだ。

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都市計画道路近文東鷹栖線との交差点は右折車線も整備されているが、r487を順行する方向のみ右折信号がない。このあたりは4車線された時期が遅かったため、その名残なのかもしれない。

なお、近文駅から第7師団(および戦後の旭川大町駅)へ分岐していた専用線とは、この交差点から400m程進んだところで交差していた。専用線の跡地は遊歩道となっている。

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前方に右カーブが見えてくると、終点は目前。

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終点

右にカーブするとR40との交差点で終点となる。R40はこの交差点で屈折しており、直進は旭橋・旭川駅方面、左折は士別・名寄・稚内方面である。右折は市道新橋通線で、石狩川を新橋で渡ってR12に接続する。

左折すると600m程でr329新旭川停車場線の終点に至る。なお、写真左手に写っている小道で信号を回避することもできるが、国道交点では左折しかできず、一時停止での合流となる。

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[Z] r20旭川停車場線

路線概要

旭川市の代表駅である旭川(あさひかわ)駅を起点とし、国道39号交点を終点とする路線。函館本線の終点駅にして道北の中心駅である旭川駅に通じる路線ということもあり、旧道路法時代の初期から同名の地方費道路線があった。現在でも[N]r18札幌停車場線と並んで主要地方道に指定されている停車場線である。なお、1905~1988年は駅名を「あさひわ」と読んでいた。

種別主要道道
路線番号20
旧番号41
路線名旭川停車場線
起点旭川停車場(旭川市宮下通8)
終点国道39号交点(旭川市4条通8)
通過市町村旭川市のみ
認定日1954年3月30日
総延長0.534km
実延長0.520km
重用延長0.014km

※総延長等のデータはいずれも2022/4/1現在の道路現況調書による。

レポート

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423.1kmに及ぶ函館本線の終点駅となっているのが、旭川駅である。宗谷本線と富良野線の起点となっているほか、新旭川駅が起点の石北本線の列車も当駅発着となっている。乗り入れ列車のほとんどが当駅で系統分離されており、2017年以降は特急宗谷と特急オホーツクのみが当駅を跨いで運転されている。

以前は機関区などを備えた広い構内を持っていたが、跡地を含めた駅周辺は「北彩都あさひかわ」として再開発事業が行われた。旭川駅付近の高架化、新駅舎の建設、駅の南を流れる忠別川への架橋などが行われ、大きく変貌した。

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起点

北口の駅前広場を出た都市計画道路宮下通との交差点が起点となっている。旭川駅の北口からは2本の道路が伸びているが、そのうち東側の都市計画道路緑橋通が道道に認定されている。

西側の平和通は1972年に開設された日本初の恒久的な歩行者天国であり、「買物公園」として知られる。なお、地方費道時代ならびに1971年以前の道道は平和通経由であった。

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道道は中央分離帯と歩道に街路樹のある広々とした4車線道路である。起点から100mあまりで都市計画道路1条通と交差するが、右折方向はr98旭川多度志線で、「北彩都あさひかわ」の一環として架橋された氷点橋に向かう。

氷点橋開通以前のr98は左折方向に接続していた。平和通以西はR12の旧道であり、深川・札幌方面に向かうなら4条通よりも近い。

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街路灯には道道であることを示すシールが貼られているが、上部に書かれている文字は[Y]r487近文停車場線のように路線名を略したものではなく、都市計画道路名の一部である「緑橋」となっている。

なお、六角形の道道番号標識も設置されており、順行では1・2条間仲通線との交点付近にある。

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続いて市道2条通線との交差点。2条通は西向きの一方通行となっており右折できないため、右折車線は省略されている。

「買物公園」として商店が多く並ぶ平和通とは違い、緑橋通沿いには地方銀行や大手保険会社などオフィス系のビルが多い。この傾向はr18札幌停車場線に似ているともいえる。

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市道3条通線との交差点は逆に左折禁止で右折車線が用意されている。

昭和通(平和通の1つ西側)と緑橋通に挟まれた領域を東西に横切る道路のうち、8条通以南の全ての仲通と、2条通、3条通、5条通は一方通行となっている。一方で、南北方向に延びる道路にはほとんど一方通行がないのが札幌市中心部との違いである。

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終点

都市計画道路台場4条通との交差点で道道は終点を迎える。交差する道路はR39で、右折方向は上川・北見・網走方面、左折方向は平和通との交差点が国道の起点で、そのままR12深川・札幌方面に接続している。

都市計画道路緑橋通は引き続き直進し市役所方面に向かうが、都市計画道路そのものは緑橋より手前の神居旭山通交点で終点となる。

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