国道275号 区間2-B

目次

区間区間起点区間終点走行日区間
距離
区間1-A札幌市中央区北1東14
(R12交点、起点)~
石狩郡当別町蕨岱(R337交点)2016/8/619.7km
区間1-B石狩郡当別町蕨岱~樺戸郡月形町市北(r6交点)2016/8/624.5km
区間1-C樺戸郡月形町市北~樺戸郡新十津川町中央(R451交点)2016/8/632.3km
区間2-A樺戸郡新十津川町中央~雨竜郡沼田町南1条3(r282交点)2016/8/6
2016/8/7
32.1km
区間2-B雨竜郡沼田町南1条3~雨竜郡幌加内町幌加内(r48交点)2016/8/7
2016/9/2
39.3km
区間3-A雨竜郡幌加内町幌加内~雨竜郡幌加内町朱鞠内(r528交点)2016/9/2
2016/9/11
35.7km
区間3-B雨竜郡幌加内町朱鞠内~中川郡美深町大通北3(R40交点)2016/9/1139.5km
区間4中川郡美深町大通北3~中川郡音威子府村音威子府
(R40交点)
2016/8/1330.4km
区間5-A中川郡音威子府村音威子府~枝幸郡中頓別町敏音知
(道の駅ピンネシリ前)
2016/8/1425.8km
区間5-B枝幸郡中頓別町敏音知~枝幸郡浜頓別町大通
(R238交点、終点)
2016/8/1434.8km

※区間は筆者が勝手に定めたもの。各区間の距離は地図上で計測しているため、その合計が総延長及び実延長のいずれかに一致するとは限らない。

雨竜郡沼田町南1条3(r282交点)~雨竜郡幌加内町幌加内(r48交点)

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再び東に進路を変えると、南1-2の交差点でr324石狩沼田停車場線と交差。左折すると石狩沼田駅方面へ向かう。

沼田町中心部では電話線が他の町と比べて少し高めに張られているのだが、これは8月下旬に行われる「夜高あんどん祭り」のためである。

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今までと比べると歩道が狭くなるが、道幅はそれほど狭くならない。109KPを過ぎると踏切の予告がある。

夜高あんどん祭は道内唯一の喧嘩あんどん祭で、あんどん同士がぶつかり合う。ぶつけ合いに使われる大型あんどんは高さが最大で7m程もあり、あんどんが通れるように電話線が高めに張られているのである。なお、それでも通るのが難しいのでハシゴを使って電話線を押し上げている。会場の一部はR275上にもあるので、祭が終わった直後などは路面が荒れてることもある。

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JR留萌本線と交差する。踏切名は第6旭川留萌線踏切であり、R233が沼田町内を通っていた時代の痕跡が残っている。北海道内の国道に現存する踏切は1つしかなく、第6旭川留萌線踏切は国道上にある日本最北の踏切でもある。

道内の国道上にあった踏切の大半は跨線橋やアンダーパスの整備で消え、ローカル国道上の踏切には鉄道路線の廃止でなくなったものも多い。R275も深名線廃止までは踏切が複数存在していた。
(2023/9/3追記)なお、JR留萌本線は2026年3月末で廃止予定となっているため、道内の国道から踏切が完全に消える日は近い。

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踏切を過ぎると道幅が狭くなるが、交通量は少ないのでさほど気にならない。右折方向が秩父別と案内されているこの交差点、R233のルート変更まではr25士別沼田線の終点であった。右折した先の町道(r282沼田妹背牛線の旧道)はJR留萌本線と交差しており、そちらの踏切名は第5旭川留萌線踏切である。

走行当時の2016年時点で、第○旭川留萌線踏切のシリーズで現存を確認できていたのは2、3、5、6、8、9、10、11、12、14、15である。1、4、13は跨線橋で置き換えられており、7はおそらく札沼線にあったと思われる。

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↑(275)美深115km、幌加内40km

沼田を過ぎたことで次に現れた行先は幌加内。美深は固定である。なお、写真の奥の方に写っている左カーブはR=70mと結構急で見通しも悪い。

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急カーブの後、下り坂となる。

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平野部に出てしばらく走ると右へ分岐する道路があるが、これは町道で、穂栄(ほえい)橋を渡って秩父別町へ向かう。2005年に開通した新しい道路である。

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↑(275)美深114km、幌加内38km

石狩平野の北端に位置する沼田町も、空知地方の市町村の例に漏れず農業の町である。ひたすら水田と畑の間を走り抜けていく。このあたりで、ようやく札幌~美深間の折り返し地点となる。

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共成地区でR275は右前方へ曲がる。R275が優先道路となっており単なる右カーブのようになっている。

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さらに1km程で左カーブ。

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竜水橋で雨竜川を渡る。この先雨竜川とは70km近い付き合いとなる。

(2023/9/3追記)この近辺の雨竜川は堤防の整備状況が不十分で、水面と堤外地の比高も小さいため、警報級の大雨になると容易に氾濫危険水位に達してしまう。実際に氾濫が発生することも少なくない。

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竜水橋を渡ると深川市に入る。深川市は北空知地方で唯一の市だが、人口は2万人を切っている。R275が走るのは市域の北部で、1970年まで雨竜郡多度志町だった一帯である。

(2023/9/3追記)走行当時の2016年時点ではまだ人口が2万人以上あった。

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多度志町の中心部でR275は左折する。直進はr98旭川多度志線で、湯内トンネルを通って旭川市へ向かう。右折はr281深川多度志線で、深川市の中心部へ向かう。

この交差点にはセイコーマートがあるのだが、R275沿いに限定するとこの先音威子府村のセイコーマートまで136kmの間一切コンビニがない。美深町中心部でR275から外れると(日本最北の)セブンイレブン及びセイコーマートがあるが、それでも107km離れている。コンビニでしか買えないものはここで買っておくべきである。

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多度志交差点から北上していく。R275が「本気」を出すのはここからである。

ちなみにここからは9月2日の撮影である。本来は8月下旬に走行する予定だったのだが、相次ぐ台風の上陸でサイクリングどころではなかった。一連の台風による被害は甚大で、1981年のいわゆる56水害以来の大惨事となってしまった。この台風で被災したJR根室本線の東鹿越~新得間は復旧に着手されることもなく廃止された程である。

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r429多度志停車場線の卒塔婆型標識があるが、r429の起点が実際にあるのはここから離れた多度志駅跡付近である。道道は国道と直接接続しておらず、市道多度志停車場線で接続されている。

多度志駅は深名線の駅で、1995年に廃止されている。これから先は深名線と並走していた区間が続く。

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これまでは歩道がある区間がほとんどだったR275も、多度志を境にして歩道がない区間が増える。それでも路側帯の幅は十分に確保されている区間が多いので走りづらくなることはない。そもそも交通量もかなり少ないので楽に走ることができる。

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雨竜川の流れに合わせて東に進路を変える区間もある。また、ここで雨竜町以来の追越禁止区間となる。

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ここからは少々アップダウンのある区間である。多度志町中心部で60m程だった標高は80mを超える。

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頂上付近には「高橋峠イチイ」なるものがある(左側に見えている)。ここで初めて標高が100mに達する。

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下り坂の後、幌成地区に入る。

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昔は小学校もあった幌成地区だが現在は多度志小学校の校区である。道幅は(北海道基準では)若干狭く、カーブも急なので気を遣う。

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左カーブしながら幌内川を幌成橋で渡る。

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r920幌内湯内線が右に分岐する。r920は先ほど多度志で分岐したr98に至る道道である。なお、この付近の地名は住所上は幌内なのだが、道路上ではかつての駅名などに使われている下幌成という地名が表示されている。

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エイチャン川を一已(いちやん)橋で渡る。

留萌本線の北一已駅と同じ文字だが、己でも巳でもなく已である。「已然形」などでしか見る機会がない字なので標識でさえも書き間違いが起こりやすい。

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↑(275)美深97km、幌加内22km

美深までの距離がようやく100kmを切る。

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130KP付近で雨竜川にかなり接近する。下流部ではそれなりに大きな川である雨竜川だが、ここから遡っていくにつれてだんだん細くなっていく。

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鷹泊の市街地に入っていく。標識で案内されている鷹泊発電管理事務所は後に分岐するr693を通って鷹泊ダムのそばにある。

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市街地を抜けて右カーブする途中にr693鷹泊鷹泊停車場線の分岐がある。なお、鷹泊駅跡は画像207と画像208の間にある交差点から右折したところにある。ヘキサも立っているのでわかりやすい。

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↑(275)美深93km、幌加内17km

ここからは幌加内峠に向けて山道となる。

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序盤はあまり勾配もきつくなく、急カーブも少ない。

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↑美深93km、幌加内15km

この案内標識、先ほどよりも幌加内までの距離が2km縮んでいるにもかかわらず美深までの距離が変わっていない。国道昇格当初は特に朱鞠内以北で未整備の区間が多かったので、もしかするとその時代のものなのかもしれない。

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途中で右に分岐する道があるが、これは旧道である。

かつては標高280m程の幌加内峠を超えていたが、2010年頃に幌加内トンネルが開通し、最大標高が50m程下がった。旧道は鷹泊側が急カーブの連続で、勾配も6%以上と(北海道基準では)なかなか走りづらい道だった。

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新鷹泊橋を渡る。新道の勾配はせいぜい3%といったところで、自転車でもあまり苦労せずに走れるレベルである。

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奥鷹泊橋を渡ると幌加内トンネルはもうすぐ。なおこのあたり、走行の一週間ほど前に熊が出没していたそうだ。山中の熊といえば真っ先に連想される地名である三毛別(さんけべつ)からは直線距離で40km弱であり、このあたりもヒグマがよく出没する地域である。

先ほどまで通っていた沼田町内の幌新太刀別川上流域でも三毛別に次ぐ規模の獣害が起こっている。不用意に山へ入ってはいけないだけではなく、サイクリングの際にも注意を払わなければならないのがこの近辺の道路である。

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幌加内トンネル(L=1241m)を通る。R275で最初に通るトンネルであり最長のトンネルでもある。なおこのトンネル、新しいが交通量が少ないためまともな歩道というものはない。なぜならここを歩く人などいないからである(最も近接している鷹泊と沼牛ですら10km近く離れている)。

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複数の台風がもたらした大雨の影響が残っており、トンネル内の路面はかなり濡れていた。幌加内町に向かって1.4%程の拝み勾配であることも考慮して申し訳程度の歩道上をゆっくり走った。

トンネル内にもキロポストは設置されていたが、設置方法は滝川道路事務所管内と同じで、通常の道路と同じ仕様のキロポストをトンネルの壁に対して>状に設置するスタイルである。

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トンネルを抜けると幌加内町に入る。カントリーサインの「-41.2°」は1978年2月17日の母子里地区の最低気温であり、戦後国内で観測された最低気温である。

支庁が振興局に再編されたことで、幌加内町は空知地方ではなく上川地方となった。道路事務所に関しても管轄が変更され、それまでの深川道路事務所から士別道路事務所の管理と変わっている。士別道路事務所管内は天北峠で音威子府村から浜頓別町に入るまで続き、実にR275の129km程を受け持っていることとなる。

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少し進むと旧道と合流して左カーブし、下り勾配となる。

旧道は封鎖されており、自動車で走行することはできない。徒歩又は自転車であれば(熊出没の危険性を無視するなら)走行できそうに思えるが、鷹泊側にあった深名線の跨線橋が撤去されているためやはり通り抜けできない。

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坂を下りきったところにある看板。朱鞠内湖まで48km、遠すぎる…

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140KP付近。幌加内町内は手つかずの(あるいは開墾されたが放棄された)土地がかなり多く、このように原野の中を走る区間も結構ある。まだ視界が開けているだけ開放感を感じられてマシだが、この先ではもっと人里離れた場所へ入っていくことになる。

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141KP付近で右折する町道がある。右折してしばらく走るとr72旭川幌加内線に合流し、標高480m近くかなり急な江丹別(えたんべつ)峠を経て旭川市方面へ向かう。

江丹別峠は自転車で超えたことがあるが相当骨が折れる。その時は旭川方面から来たのでまだマシだったのだが…
(2023/9/3追記)なお、峠の旭川側は急カーブの解消を中心とした線形改良が行われている。その代償として一部では勾配がさらに急になっている。

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幌加内町と聞いて真っ先に思いつくものといえば、厳しい寒さのほかにソバが挙がる。幌加内町はソバの作付面積及び収穫量が日本一であり、毎年9月上旬には新そば祭りが開かれる。走行当時の2016年の開催日は9月3日・4日。つまり走行日の翌日であった。

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そば祭りの日程は把握していたし、できれば祭りの日に合わせて幌加内町を訪れようとも思ったのだが、天候のせいで走行日程に余裕がなくなり、R275の多度志~添牛内間はこの日に走行するしかなかったのである(輪行に利用する青春18きっぷの使用期限が9月10日までだったことも大きい)。結局十数年越しのそば祭りは断念することとなったのである。
なお、その翌年にリベンジを果たしている。

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幌加内川を新成生(しんなりう)橋で渡る。このあたりでは雨竜川はR275から見て北西の方に離れている。雨竜川の町境付近は谷が険しくなっており道路を通すには不適だったのだろう。

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収穫期を間近に控えたソバ畑はほんのりと赤く染まっている。ソバの花が咲く時期ならば見渡す限りの白らしいのだが、幌加内に来たことがある時期が基本的に晩夏なのでまだ見たことがない。

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少し上り勾配を走るとr72の交点。江丹別峠にトンネルを通す構想はおそらくあるのだろうが(確認したことはない)、急勾配を根本的に解決しようとすると明らかに2km級以上のトンネルが必要になるのでおそらく実現することはないだろう。

(2023/9/3追記)江丹別峠は頂上部分も線形改良が行われたため、トンネルを使わないことが確定している。急カーブと狭小区間の解消にとどめるようだ。

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下り坂に転じ、左カーブ。

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その後右カーブし、平和橋で雨煙内(うえんない)川を渡る。ウエンナイという地名は「悪い川」という意味であり、道内では複数の場所で見られる地名である。

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歩行者はそれほどいないはずなのだが、両方向に広い歩道が設置されていて相当オーバースペックな道路だ。なお、この写真を撮った地点から400m程進むと北緯44度線を通過する。半端なので特に案内はない。

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ガソリンスタンドの辺りから中心部に入っていく。車・バイクでの走行の場合は燃料の残量確認を忘れずに。これだけの規模のガソリンスタンドはこれ以降美深までなく、万が一燃料切れに陥ろうものなら助けを呼ぶにもかなり時間がかかる。

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r48和寒幌加内線との交点に到着。和寒峠はトンネルが開通しており比較的走りやすい。幌加内町中心部に入ったことで次に現れる地点は添牛内(そえうしない)。R239との交点であるため案内標識にはたびたび出てくる。